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宇宙ではクェーサーによる強大なエネルギーの波が起きている

3/26(木) 20:30配信

ギズモード・ジャパン

スケールが大きすぎて痛快。

宇宙に浮かぶハッブル宇宙望遠鏡(HST)ならではの壮大な発見です。米バージニア工科大学と宇宙望遠鏡科学研究所の研究者たちがHSTによる紫外線の観測データをもとに13個のクェーサーを分析した結果、そのうち3つで観測上もっともパワフルなエネルギーの放出を確認したそうです。

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「エネルギーの放出」と聞くとジェット噴射のように一方向に延びたアウトフローを想像しがちですが、クェーサーの場合は球対称のアウトフローが超高速で外へ、外へと広がっていくそう。波のようにうねり、星間物質と衝突を繰り返しながら銀河全体に波及するその強大なエネルギーは、星の材料となる分子ガスや塵粒子を散らして新しい星の生成を妨げ、さらには銀河の成長を妨げていると考えられるのだとか…!

クェーサーとは?

「クェーサー」は宇宙随一の明るさを誇る天体。それなのに天体望遠鏡で見ると一番明るいクェーサーでも13等星ほどの明るさしかないのは、クェーサーがはるか遠方の宇宙にあるからです。クェーサーからの光が地球に届くまで何十億年という地球時間が経っているので、大昔、まだ宇宙が若かったころに存在していた過去の姿です。

クェーサーの中心には超大質量ブラックホールがあるために明るく輝くと考えられています。ブラックホールに向かって物質が落ちていく時、その物質が持っていた位置エネルギーが熱エネルギーに変換され、やがて光となって放射されます。その明るさはブラックホールを宿している母銀河全体が出す光の1,000倍にも上るそう!

銀河を吹き荒れる嵐

それだけすさまじいクェーサーの光は、同時にすさまじい放射圧を発しています。光も圧力を持っているので、ブラックホールの重力とは逆の方向に放射され、嵐のような激しいアウトフローをまき起こします。

NASAによれば、クェーサーの嵐は光速の数パーセントに上る超高速で銀河全体に広がっていき、塵やガスなどの星間物質を吹き飛ばしていくそうで、今後少なくとも1000万年は吹き荒れ続けるのだとか。バージニア工科大の主任研究員で、今回の研究に携わったNahum Aravさんによれば、「クェーサーから派生する風は毎年太陽数百個ぶんにあたる質量を動かすほど」パワフルなのだそうです。

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最終更新:3/26(木) 20:30
ギズモード・ジャパン

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