すべての学力のベースとなる国語力。その力をのばす方法を、「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」では保護者向けに紹介してきました。今回から、コンセプトはそのままに、副題を『~「読み、書き、表現」アップの鉄則~』と変え、さらなる国語力アップのための有益な情報を提供していきたいと思います。今回は、2020年度中学入試のトピックをご紹介します。
今年も、南雲国語教室の生徒たちの受験指導をしながら、首都圏を中心に国私立中学校の入試問題に目を通しました。例年に引き続き、大人向けで難しい内容の素材文や、深く考えさせる問題、正確に読んで正しく書くことが求められる問題が多く出題されました。
そんな中、今年ならではの変化として目にとまったのは、「自分の考えを発展させる力」をみる問題が複数の学校で出題されたことです。こうした問題は、これまでそう多くは見られませんでした。
「自分の考えを発展させる力」をみる問題とは、例えば、(1)絵や図、グラフから読み取った情報を文章化させる問題(2)自分の意見や考えを説明させる問題などです。
こうした問題が増えた背景として、新学習指導要領(小学校は2020年度、中学校は2021年度から全面実施。高校は22年度から年次進行)が、「思考、判断、表現」を重視していることが考えられます。この3つは国語において、「言語で理解し、伝えること」「論理的に思考し、想像すること」「新たな発想、思考を創造すること」につながります。
今後、中学、高校でも新しい学習指導要領に即して教育活動が行われるわけですから、自分の考えを深めながら学習をしてきた生徒が望まれるのも当然の流れといえるでしょう。
それでは、「自分の考えを発展させる力」をみる問題が、中学入試ではどのように出されたのか、具体的にみていきましょう。
上記(1)のパターンの代表例が、淑徳与野中学校(第1回)です。
Aさん(小学校六年生)の祖父が上京してくるので、Aさんは駅に迎えに行くことにしました。祖父はAさんの家に持って行くお菓子を一緒に選びたいと伝えてきました。そこで、祖父に次のようなメールを返信しました。
明日、駅にお菓子屋さんがあるので、改札の右に階段があるから、そこの前に午後一時。遅れないで。
問一 Aさんのメールの文章にはいくつか問題点があります。それを二点指摘しなさい。
問二 実際には、祖父は図Aに示した場所に行ってしまいました。祖父がAさんのいた所に行くためには、どのようなメールの文章をAさんは書けばよかったのですか。駅のお菓子屋さんに寄ることも伝えるように文章を書きなさい。
<2020年度 淑徳与野中学校(第1回) 一部抜粋・改題>
最終更新:3/26(木) 15:20
朝日新聞EduA
































読み込み中…