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あなたの知らない「n番ルーム」暴露の真の功労者たち

3/26(木) 10:49配信

ハンギョレ新聞

2人の大学生が作った「追跡団花火」 昨年2カ月間「n番ルーム」など潜入取材 被害映像などの証拠集め警察に通報  匿名団体「リセット」は、性搾取申告運動 国会国民同意請願第1号を引き出してから 「身元公開」「厳罰」数百万の怒りが爆発  被害届け後、隠れていた女性は 国民の応援と怒りに勇気を得て 「法廷証言したい…最後まで支持してほしい」

 「裁判が開かれたら、出廷して被害者証言をしたいです。被害者の中には未成年もいますが、怖がりすぎずに、一人で悩まないで」。

 昨年9月に「博士」(チョ・ジュビン、24)から被害を受け、苦痛の日々を送っていたイ・ウンへさん(仮名)は25日、ハンギョレに電話でこのように話した。彼女はテレグラムによる性搾取犯罪がまだ世間に知られていなかった当時、博士らの脅迫にもかかわらず、勇気を出して警察に犯罪を届け出た。その後、ハンギョレの報道でウンヘさんをはじめとする女性たちの受けた被害が世間に知られると、女性たちは博士と同調者に怒り、これは「n番ルームのすべての会員を処罰してテレグラム内の性搾取を断ち切らなければならない」という国民の怒りへと拡大した。チョ容疑者と主要加担者は検挙され、警察は今この瞬間にも会員を追跡している。すべては被害者の勇気と、彼女たちに共感した女性たちの闘争がなかったら不可能だっただろう。

 にもかかわらず、博士が警察に捕まってからの数日間、ウンヘさんは深い苦痛を味わった。日常へと戻りつつある頃に聞こえてきた「博士」の検挙の知らせは、残酷な被害体験を再び思い出させた。「いっそ捕まらないで、そのまま埋もれていってしまえば、こんなにつらい思いをしなくても済んだのでは。気持ちを切り替えて生きていく人も多いのに…。今さら捕まって、どうして人の心をかき乱すのかと思ったりもしました」。苦痛のため沈黙していたウンヘさんは、25日未明にハンギョレに直接電話をかけてきた。「隠れていては駄目だと思いました。博士に重い量刑が科されるように、あの人の罪を白日の下にさらすために、証言したいと思います」。そう話す声は、数日前より淡々としていた。

 ウンヘさんの心を変えたのは、数日間向き合った応援と怒りの声だ。「(まだ)大変だけど、今たくさん助けてくれようとしている人たちがいるから、頑張らなくちゃいけないと思いました」。警察がこれまでに把握した「博士ルーム」の被害者は74人にのぼるが、このうちイさんのように実際に届け出た被害者は少ない。

 イさんは「被害者は自分を責めたりせず、人生に対する意志を手放さないでほしい。今からでも遅くはないから、被害を届け出るべき」と述べた。少なくとも数万人、多くは数十万人にのぼると推定されるn番ルームの加担者とチョ容疑者に対しては「あなたの好奇心が一人、一人をみな殺している。あなたたちは殺人鬼だ」と述べた。ともに憤ってくれた国民に対しても「被害者たちを最後まで支持し、助けてほしい。博士ばかりではなく『カッカッ』などの他の人たちも必ず捕まえなければならない」と強調した。

 イさんに再び立ち上がる力を与えた人の中には、テレグラム性搾取犯罪に立ち向かい、共に闘ってきた人たちがいる。テレグラム内で起きる性搾取問題を最も早くから伝えてきた大学生取材チーム「追跡団花火」だ。2人の女性メンバーで構成された「花火」は昨年7月、児童・青少年性搾取物がテレグラムを通じて共有されているという事実を確認し、警察に通報するとともに、取材を始めた。彼女たちは「n番ルーム」をはじめとするテレグラムの秘密チャットルームにメンバーとして潜入し、2カ月あまりにわたって会話をモニタリングしながら性搾取物の被害の実態を把握し、ユーザーらの会話を証拠として集めた。被害女性の映像がアップされると、すぐに警察に通報した。

 彼女たちは取材結果を集めて昨年9月「未成年のわいせつ物売ってますか?…テレグラムで違法横行」と題する記事をニュース通信振興会を通じて報じた。テレグラムの中の性搾取犯罪を水面上に引き上げた最初の報道だった。花火メンバーのAさんはハンギョレの電話取材に対し「チョ容疑者が最近も犯行を行っているのを確認し、警察に通報した。デジタル性犯罪が終わりを告げるよう、今後も通報して捜査に協力し続ける」と語った。

 残忍なテレグラムでの犯罪謀議を監視してきた人々は他にもいる。昨年12月にテレグラム性搾取申告プロジェクトを開始した団体「リセット(ReSET)」だ。テレグラム性搾取犯罪に怒る女性ネチズンたちによって作られたリセットは、デジタル性犯罪の解決を求める国会国民同意請願に取り組み、これを「第1号請願」へと押し上げた。身元を明らかにせず静かに活動しているが、1月15日に国会国民同意請願ホームページにアップされた「テレグラムで発生するデジタル性犯罪の解決に関する請願」は短時間で10万人以上の同意を得た。民意を受け入れるべき国会は「性暴力犯罪の処罰などに関する特例法」にわずかに手を加えるにとどまっているが、リセットの闘争は現在進行形だ。

 前に出ずとも、性犯罪被害者に共感し、共に怒り、声を上げてきた人々も、デジタル性犯罪への全社会的警戒心を呼び起こした主人公だ。n番ルーム事件の被疑者に対する厳罰を求める請願が大統領府の国民請願で史上最も多くの同意を得た背景には、これらの人々がいる。請願に参加した会社員のチョン・ミンヒョンさん(仮名、30)は「私の周りにn番ルームの加害者がいるという思いがぬぐえない。n番ルーム事件のハッシュタグをアップすると個人情報を流す人たちがいるという。国民請願をSNSにアップしてから、街で知らない男たちに見られると怖くて不安になるが、関係者が処罰されるまで世間に伝え、参加していきたい」と話した。
クォン・ジダム、オ・ヨンソ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:3/26(木) 12:36
ハンギョレ新聞

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