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<北朝鮮報告for Pro>制裁にコロナ禍…国内経済は今どうなっているのか(1)制裁の穴探しもコロナで霧散 石丸次郎

3/27(金) 12:30配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

はじめに
中国発で世界に伝播した新型コロナ肺炎禍による混乱によって、北朝鮮の非核化問題はどこかに消し飛んでしまったかのようである。北朝鮮国内でも、やはりこの新種の疫病への対応と、その副作用で大きな混乱が起こっている。国連安保理決議による強力な経済制裁が3年目に入った今、コロナ肺炎による混乱まで加わり、北朝鮮国内の経済状況はどうなっているのだろうか。

2月29日の朝鮮中央通信は、「この感染症がわが国に流入した場合、深刻な結果をもたらすだろう」という金正恩氏の発言を掲載したが、金政権の実際の対応は、まるで戒厳令下のように強引で、それだけ強い危機意識が感じられる。まず、コロナ肺炎が中国で発生して以降の北朝鮮の状況についておさらいし、経済制裁が国内経済に与えた影響について詳しく述べてみたい。

1)新型コロナ肺炎の衝撃

◆金政権は迅速な封鎖措置を採ったが
中国の武漢市で新型肺炎が流行していることを受け、北朝鮮当局は春節の連休直前の1月22日から外国人の受け入れを中断することを旅行社に通知した。経済制裁の対象外である観光収入を棒に振ってまで、コロナウイルスの侵入阻止を優先させたわけだ。

さらに、1月末から中国国境を封鎖して貿易も止めた。モノと人の出入りを完全に遮断する大胆で迅速な措置であった。また1月初旬にまで遡って、入国していた外国人、貿易業務等で中国と往来していた人、さらに国内で中国人と接触していた貿易関連部署の担当者も隔離する徹底ぶりであった。

北朝鮮当局自身が、薬品、消毒薬、検査機器などが足りず防疫体制が劣悪なこと、一度国内で強力な伝染病が流行すると、独力では手の施しようがないことを自覚しているのだろう。

3月27日時点で、北朝鮮政府は「感染者ゼロ」との立場を崩していないが、その真偽は不明だ。北朝鮮国内に住む取材パートナーたちとは、ほぼ毎日連絡を取り合っているが、彼らにも確かめようがないのだが、平壌(ピョンヤン)、新義州(シニジュ)、羅先(ラソン)、清津(チョンジン)などで、既に感染者が出ているという噂が広がっており、「事態は深刻だ」と伝えてきている。 本文:2,950文字 写真:4枚 (参考写真)第三の都市清津の市場の様子。食糧配給制がほぼ崩壊して国民の大半は市場活動で暮らしている。2013年9月に清津市で撮影アジアプレス ※最新物価情報表 表1 表2

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最終更新:3/27(金) 13:00
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