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6億枚の“消えた”マスクはどこへ ── 厚生労働省「マスク等物資対策班」に聞いてみた

3/27(金) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「3月にマスクの供給量は6億枚以上になる」 ── 3月5日、安倍晋三首相がそう表明したにもかかわらず、依然として品薄状態が続いている。すでに6億枚以上供給されているはずのマスクは今、どこにあるのだろうか?厚生労働省の担当課にたずねた。

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病院でも20倍の値段で取り引き

「うちはオペ担当でも1日1枚の支給です、神奈川の病院では病棟ナースが月に4枚だという話も聞きました」

都内の病院に勤める外科医のA氏は、そうため息をつく。以前は、廊下にあるマスクボックスから取り放題だったことを考えると、心理的な負担はとても大きいという。

「医療系ではない企業から最近、マスクの共同購入の誘いを立て続けに受けた」 ── 都内の病院に勤めるB医師は、そんな裏事情を明かす。

しかし、提示されたのは1枚あたり75円から100円での取り引き。「通常なら1枚5円以下で買えるはずなのに……」。毎日およそ300枚を消費するその病院では、購入をあきらめざるを得なかったという。

家庭用マスクの品薄も深刻だ。政府発表によると、輸入と国産を合わせ、3月中には月6億枚以上のマスク供給を確保できているという。しかし大手スーパーやドラッグストアでは依然、マスクが品薄になっている状況だ。

医療用品も扱うECサイト大手アスクルの広報は、「入荷して販売すると同時に売り切れてしまうような状況」だと話す。

「手を尽くせるだけ尽くしている」と厚労省

なぜ、マスクが店頭から消えているのか?

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策本部のマスク等物資対策班の担当者は「供給については手を尽くせるだけ尽くしている」と話す。確かに、政府は3月25日までにシャープなど15件の事業者を対象に補助金を出し、マスクの増産を後押ししている。

それでも、見当たらないものは見当たらない。同担当者は、パニック買いなどによる需要の逼迫を理由にあげる。その対策として、政府は3月15日、「1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」という罰則付きの転売禁止規制を講じている。

しかし、規制には「抜け穴」もある。主な対象となっているのはスーパーやドラッグストアで転売目的で多数のマスクを購入する行為であり、卸売業者や製造者は規制対象に含まれていない。

「供給を増やしたとしても、個人が普段の2~3倍買ってしまうと意味がない。冷静な購買行動を求めたい。マスクは(ウイルスを)人にうつさないためのものであって、自分がうつらないためのものではないのです」(同担当者)

台湾では3月上旬、デジタル担当大臣・唐鳳(オードリー・タン)氏の手腕によってマスクの在庫データを公開し、家庭用マスクがどこで売っているか確認できる「マスク在庫マップ」が開発されたことで話題になったが、日本政府ではそういった流通管理はできていないとも話す。

一方、医療用マスクについては、政府の買い上げによって医療機関へ提供する仕組みを整えていると、同担当者は話す。備蓄されていた250万枚のほか、3月13日時点で買い上げた枚数は1500万枚で、自治体と連携して外科手術の多い都道府県から優先的にマスクを配っているという。

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最終更新:3/30(月) 11:21
BUSINESS INSIDER JAPAN

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