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地域のケーキ屋、愛され半世紀 熊本市北区の「アリス洋菓子店」閉店へ

3/27(金) 12:07配信

熊本日日新聞

 熊本市北区清水新地で長年、地域に親しまれてきた「アリス洋菓子店」。常連客らに惜しまれながら3月末、46年間の歴史に幕を閉じる。店主の田中紘一さん(78)は「時代の流れでここが潮時」と話す。

 田中さんは16歳で熊本市の製菓店に弟子入り。その後も神戸や玉名などで修業を重ね、妻の美幸さん(74)と結婚後の1973年12月、店を開いた。

 オープン当時、店の周囲は竹やぶや田んぼだらけ。その後、宅地化が進み、誕生会や結婚式の引き出物などの注文が増え始めた。リーマン・ショック後にケーキが売れない苦しい時期もあったが、夫婦二人三脚で乗り越えてきた。

 ケーキを作り続けて半世紀近く。「季節や気温によって、毎日同じものはできない。手間もかかるが、そこが菓子作りのおもしろいところ」という。

 近年は、カロリーや原材料など、消費者が味以外に求めるニーズの変化も感じていた。4月から栄養成分の明示を義務付ける食品表示ルールが導入されるのを機に、「自分たちでは対応できない」と店を畳むことにした。

 子どもの卒園祝いを買いに来た合志市の主婦、日高朋子さん(43)は「昔から変わらない味。二人の気さくな人柄が魅力だった」と寂しげな表情。

 「長年ケーキを作ることができて悔いはない。今まで買いに来てくれたお客さんに感謝したい」と田中さん。最後の1個まで、心を込めて菓子を作るつもりだ。(志賀茉里耶)

最終更新:3/27(金) 12:07
熊本日日新聞

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