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安倍政権、新型コロナ感染爆発に危機感 首都「外出自粛」受け対応加速

3/27(金) 7:16配信

時事通信

 新型コロナウイルス感染者の急増を受け、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく政府対策本部が設置された。

 小池百合子東京都知事が「週末の外出自粛」を要請したことに政権が突き動かされた形で、これによって緊急事態宣言が発令できる舞台は整った。しかし、そうなった場合は国民生活にかかる制約は絶大。安倍晋三首相は難しい判断を迫られることになる。

 「都市部を中心にして(感染者が)増加をしている。海外から移入が疑われる事例が多数報告されている。まん延の恐れが高い」。首相は26日の政府対策本部でこう危機感を訴えた。

 特措法は14日に施行されたが、本部設置は先送りとなっていた。私権制限を可能とする緊急事態宣言の発令には野党に加え、与党内にも慎重な運用を求める声があったことに配慮したためだ。

 その後、世界的な感染拡大を受けて政府は、本部を設置する青写真自体は描いていた。ところが25日に都内で確認された感染者数「41人」が政権に衝撃を与えた。政府高官は「状況が変わった」と説明、設置を前倒ししたことを認めた。欧米に比べ少ない感染者数が対策の「中だるみ」につながっているとの指摘もあり、別の政府関係者は「週末に向け引き締められる」と狙いを語った。

 また、東京五輪の延期決定が政府の決断を後押ししたとの見方も浮上。「1年程度の延期」が固まる前に新型ウイルスへの危機対応を強めれば、大会中止の流れにもつながりかねないためで、ある自民党中堅議員は「皆、五輪の延期を待っていたんだろう」と語った。

 一方、本部設置をめぐっては与野党から、「後手に回った」との批判も相次いだ。自民党の閣僚経験者は「打ち出す政策が全て1カ月前にやることだ」と断じ、国民民主党の大塚耕平参院議員会長も記者会見で「設置が遅い」と語った。

 今後は、首相が緊急事態宣言の発令に踏み切るかが焦点となる。政府関係者は「とりあえず態勢を整えたということ。『即、宣言』ではない」と予防線を張り、官邸幹部は東京の感染者数の伸びについて「人口規模から考えれば驚くことではない」との見方を示した。

 ただ、ある省庁幹部は「世界的に見ても日本は行動制限が緩い」と危惧する。欧米では外出禁止を強制する国が少なくないが、日本では要望ベースにとどまっているためだ。

 政府は4月からの学校再開を予定しており、緊急事態宣言が発令されれば、感染が深刻な地域では対応の練り直しが必要となる。前例がないだけに混乱は必至で、自民党幹部は「緊急事態宣言を出せば経済は崩壊する」と懸念を隠さなかった。 

最終更新:3/27(金) 11:02
時事通信

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