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142億→2004億円へ 日銀ETF爆買いがなければ株価1万5000円

3/27(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 毎朝、毎晩、ニュースは新型コロナウイルスで持ちきりだ。学校の卒業式中止や縮小も話題だが、身近な地元の自治会の次年度予算や役員などを決める年次総会も中止が先週決まり、回覧で住民同意のない次年度予算など結果だけが知らされた。過去に経験したことのないような事態だ。

 書店でフリーペーパーの求人情報誌を見ると「東京2020オリンピック・パラリンピックを支える仕事特集」とある。そこには、「大学生大歓迎、7月・8月だけの短期、時給1600円以上、1日4時間・シフト制」などとあった。仕事内容は、新国立競技場や選手村などで、五輪で使用する競技用具や選手・競技関係者の荷物運搬など引っ越し作業。応募者への説明・選考会は、新型コロナウイルスのため3月中は中止、4月は現状、開催予定だが中止の可能性もあるとなっていた。

 五輪の裏方の人手も思うように集められなければ、競技道具などの運搬や設営もできなかったろう。

 経済活動は混迷を深める。今月22日、NHKの討論番組で、自民党の岸田文雄政調会長は「リーマン・ショック時を大きく上回る規模を考えなければならない」と述べ、国費15・4兆円を計上した2009年4月の経済対策を大きく超える大型の補正予算を編成すべきだとの認識を示した。立憲民主党の逢坂誠二、国民民主党の泉健太両政調会長は50兆円規模の対策の必要性に言及した。

 海外からの東京五輪・パラリンピックの開催中止の声も強まっている。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは、中止となれば開催年の経済損失は3・2兆円程度にのぼるとし、SMBC日興証券は約7・8兆円の損失が発生、経済は大打撃を受けるとした。

 この状況下、日銀は今月16日にインデックスETFの購入額を年約12兆円へ倍増すると決定。ETFを購入し始めた10年12月は1営業日当たり142億円購入だったが、その後、増え続けて今月19日と23日には2004億円と大化けした。日銀が買わなければ、日経平均株価は1万5000円前後になっていただろう。この12兆円に比べれば、7・8兆円の経済損失など大した金額ではないように見える。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

最終更新:3/27(金) 12:04
日刊ゲンダイDIGITAL

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