●塾によって授業の進度は大きく異なることがある
●指導スタイルや宿題の仕方も塾ごとに違う
●「適切に勉強すれば成績は上がる」という自信を
《質問者》
偏差値64の私立中学校を目指し、昨秋、大手の塾に転塾しました。入塾テストでは偏差値55でしたが、その後は偏差値30台。できる限りのことはやってきたつもりですが、成績が上がりません。志望校を見直した方がいいのか、高校受験に方針転換した方がいいのか判断できません。(東京都、小5女子の母)
《回答》 受験まで1年を切った今の時点で、親子で努力しているはずなのに成績につながってこないというのは、不安ですし苦しいですね。ご相談からも、お母さんが合格という結果以前に、お子さんの健やかな成長と自信の育みを大切にしたいと願われていることが伝わってきます。お子さんの不安と焦りもさぞ大きいことでしょう。好転の糸口をアドバイスしたいと思います。
現状について考えられる理由は二つです。一つ目は、転塾に際してカリキュラムのずれへの対応準備が不足していたことです。塾によって、特に算数と理科は進度が大きく異なることがあります。表面的には同じ単元のように見えて、扱っている問題の難易度や応用度合いが異なるのです。おそらくその事情をご存じなく、差を埋める準備なしに転塾してしまったのではないでしょうか。その結果、お子さんにとっては未習の内容を前提に進められる授業に参加することとなり、毎週の内容を理解しようとしても吸収しきれない状態にあると思われます。
二つ目は、塾による指導スタイルの違いに対応できていないこと。与えられた学習内容を一つひとつ丁寧に理解して、宿題を消化すれば塾内テストで得点が取れるタイプの塾がある一方、標準的な内容から高度な内容まで幅広い問題に数多く取り組むことで学力を鍛えるスタイルの塾もあります。塾の授業の聞き方と復習・宿題の仕方も変わってきます。宿題を全てこなそうとすると理解が後回しになるので、お子さんの場合は相当大胆な取捨選択が必要です。その選択のために、授業中に自分が分かる問題と、難しいものとを区別する視点が重要なのです。
以上より、今取り組むべきは優先すべき学習単元の洗い出しと、塾課題の整理です。小5で習った内容の復習も必要です。塾の先生に相談して、夏休みまでに取り組む学習内容を具体的に取捨選択してください。受験の路線変更は、これら学習スタイルの改善を進めた後に考えれば良いでしょう。まずは「適切に学習すれば成績は上がる」という自信をお子さんに渡してあげることを第一にしてください。
小川大介 教育専門家
最終更新:3/27(金) 15:16
朝日新聞EduA































読み込み中…