東京オリンピックの1年程度の延期が決定しました。感染の終息が見えない状況となっていることから、多くの企業が延期や中止を半分覚悟していましたから、大きな混乱は発生していないようです。中止という最悪の事態は回避されましたが、延期に伴う損失も大きいと言われています。経済にはどのような影響があるのでしょうか。
東京オリンピックの経済効果は10~15兆円程度といわれており、全国の波及効果などを合わせると32兆円(2013年から2030年まで)という試算も出ていました。こうした経済効果の中には、施設の建設など、すでに経済にプラスの影響を与えたものもありますが、今後の見込みとして計上されているものも少なくありません。大会が中止になってしまうと、これらがすべて吹き飛びますから、相当な機会損失となる可能性が高かったといってよいでしょう。
とりあえず中止ではなく延期となったことで、関係者は胸をなで下ろしていますが、実は延期に伴う損失もかなりの金額となります。直接的な金額としては、競技会場の借り換え費用や組織委員会の人件費などで3000億円程度と試算されていますが、損失はこうした直接的な支出分だけにとどまるとは限りません。
多くの企業では、今年の夏に五輪が開催されることを前提に新商品の開発やそれに伴うキャンペーンの予算を組んでいますが、こうしたプロジェクトは一旦、中止になってしまいます。当然、翌年に向けて計画を練り直すことになりますが、コロナウイルスがいつ終息するか分からないため、当初よりもプロジェクトの規模を縮小するところも出てくるでしょう。
またオリンピック開催中は物流や人の往来が制限される可能性が高いので、オリンピック終了を待って、秋から本格的にプロジェクトを進める計画を立てていた企業も少なくありません。こうした企業の場合、今年から来年にかけても同じような状態となりますから、場合によっては多額の機会損失が発生することになります。
機会損失は目に見えませんが、ジワジワと経済を圧迫する可能性があります。こうした機会損失が重なり、景気が底割れしてしまっては意味がありません。来年の開催までどのようにして景気を維持していくのか、政府の経済対策にかかっているといっても過言ではありません。
(The Capital Tribune Japan)
最終更新:3/27(金) 20:43
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