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増加する売上減少企業、一方でコロナの影響をビジネスチャンスにする動きも

3/28(土) 12:00配信

MONEYzine

 株式会社東洋経済新報社は、1月から2月にかけて上場会社全体の7割を占める3月期決算会社の2020年3月期第3四半期決算が出揃ったのを受け、会社四季報の業界担当記者が全上場企業に対して取材を実施。今期・来期の業績を独自に予想し、その結果をとりまとめて3月13日に発表した。

 今期(2020年1月期~2020年12月期・対象3,382社)の市場別(1部、2部、JASDAQ、新興市場)の前期比増額率は以下のとおり。今期予想を見ると、売上高は全体で0.4%減、営業利益は9.3%減、経常利益は5.2%減、純利益は6.2%減となっている。特に減少している営業利益の今期予想では、1部の10.3%減が突出している。

 業種別に見ると、予想営業利益は、製造業が前期比9.9%減、非製造業が同9.7%減で、銀行と保険を除いた全産業では同9.3%減と厳しい業績見通しとなった。2019年12月に発売した四季報新春号の集計値と比較すると、全産業(銀行、保険を含まず)の利益は6.2%下振れしたことになる。

 下方修正の度合いは製造業が4.6%だったのに対し、内需型企業が多い非製造業では8.4%と大きかった。中でもサービスや空運、陸運、小売りなどは、新型コロナによる訪日客の減少やイベント自粛など、需要後退や消費マインドの悪化が業績を下押す動きが目立った。

 一方、帝国データバンクは3月25日、新型肺炎が日本経済に及ぼす影響について発表した。同社の景気動向調査によると、企業の売上高は減少傾向が強まっている。2019年当初は、増加企業の割合と減少企業の割合が同程度で推移していたが、次第に減少企業が増えてきた。

売り上げ増減(前年同月比)の企業割合

 2020年3月(速報値。3月17日~24日の集計結果)では、売上高が減少している企業は55.8%と半数を超え、増加している企業の割合(21.4%)を30ポイント以上上回っている。とりわけ旅館・ホテルや家具類小売、飲食店、娯楽サービスなどで売り上げが前年同月より減少している企業が多い。

 他方、約2割の企業は3月の売上高が増加している。特に、電気通信サービスやソフトウェア業界、IT向け人材派遣などで、売上高の増加を見込む企業が多い。

 新型コロナウイルスで業績への影響が避けられない中でも、収束後の社会変化を見据え、ビジネスチャンスを捉えようとする動きも出ている。企業からは、すでに「中国から輸入不可となった商品の生産の依頼を受けている」(電子計算機等製造)といった声のほか、「テレワーク関連の案件増加が見込める」(ソフト受託開発)や「外出が減ることで宅配の需要が高まる」(飲食料品小売)など、新たな需要開拓を進めている意見も聞かれた。

 現在のところ、新型コロナの影響については先行きが見通せていない。今後の状況次第で企業の業績に大きな影響を与えそうだ。


(サイトウ イサム 、 加藤 秀行)

最終更新:3/28(土) 12:00
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