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GPSが広げるヨットレースの楽しさ 小型船舶の遭難時にも活用

3/28(土) 10:32配信

47NEWS

 2019年11月に兵庫県西宮市で開催された全日本学生ヨット選手権で興味深い「レース」が行われた。衛星利用測位システム(GPS)を利用したスピードコンテストだ。84回の歴史を誇る同選手権でも画期的と言える試みになった。(共同通信=山崎恵司)

 ▽ 位置情報や航跡を一目で

 コンテストは、セーリング専門のウェブサイト「バルクヘッドマガジン」が企画した。海上に設置された複数のチェックポイント(マーク)を事前に指示された順番で通過しながら、スピードを競う。位置情報に加えて、各艇の速度も計測できる最新のGPSトラッキングシステム「TracTrac(トラックトラック)」を今大会から採用したことで実現できた。

 470級は第3レースの第2レグで14・1ノット(時速26・1キロ)を記録した池淵砂紀、木下雅崇組(関西学院大)が優勝。同じ第3レースの第2レグで13・1ノット(同24・2キロ)を記録した花井静亜、塩谷善太組(明海大)に1ノットの差をつけた。スナイプ級では堀井純太、米田智樹組(北海道大)が第3レースの第6レグで10・4ノット(同19・2キロ)を出して1位に輝いた。

 TracTracはデンマーク製。スマートフォンを活用したGPSトラッキングシステム「スマホでヨットレース」を開発した宮田毅志さんが日本での代理店を務める。スマホでヨットレースは15年の高校総体と国体で使用されたことをきっかけに、出場艇の位置情報や航跡が一目で分かる便利なシステムとして国内ヨットレース界では広く認知されている。

 日本におけるセーリング用GPSトラッキングシステムの第一人者といえる宮田さんが新たに出会ったのがTracTracだった。正確で多彩な機能を容易に使えるこれまでにないシステムが支持され、瞬く間に浸透。これまで、スマホでヨットレースを採用していた全日本学生選手権や国体、高校総体も19年からTracTracに置き換わった。

 ▽海外では普通に開催

 TracTracは当初、チェックポイントを通過して山野をめぐるオリエンテーリング競技のために開発された。山と海の違いはあるが、設置されたマークを通らなければならないルールは共通しているため、ヨットレースに転用された。現在ではノルディックスキーやカヌー、ボートなどアウトドア系のスポーツで広く活用されている。

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最終更新:3/28(土) 10:42
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