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急遽延期となった“もうひとつ”のF1レース:1985年ベルギーGP

3/28(土) 18:10配信

motorsport.com 日本版

 2020年のF1開幕戦オーストラリアGPは、パドック内で新型コロナウイルス感染者が確認されたことを受け、フリー走行1回目開始直前にキャンセルとなった。1950年から始まったF1世界選手権の歴史上、全チームが1周もせずにサーキットを去ったのは初めてのことだった。 

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 ただし過去に一度だけ、サーキットに関係者が集まりながらも急遽決勝レースが開催されず、延期となった事例がある。1985年のベルギーGPだ。しかしこのレースは、2020年オーストラリアGPとは決定的な違いがある。それは、土曜日の予選まで通常通りセッションが行なわれていたということだ。

 ではなぜ、1985年のベルギーGPは決勝を前にして延期となったのか? それは、舞台であるスパ・フランコルシャンの再舗装したばかりの路面が、マシンが走行したことによって剥がれてしまい、決勝レースを開催できる状態ではなくなったからだ。最終的に路面は再び補修され、レースは3ヵ月後に滞りなく実施された。

 1950年から1970年までスパ・フランコルシャンで開催されていたF1ベルギーGPは、その後ゾルダーへと舞台を移していたが、1983年にはスパが大幅にコースレイアウトを短縮する形で復活。1年ゾルダーでのレースを挟み、1985年には再びスパが舞台となり、6月2日決勝でF1開催スケジュールに組み込まれた。

 1983年に現在に近いコースレイアウトとなったスパだが、バスストップシケインにわずかなバンプがあることを除けば、関係者からの評判は概ね好評だった。そして改修後2度目の開催となる1985年のベルギーGPに向けてオーガナイザーたちは、レインコンディションでのグリップを向上させるべく、新素材を用いてトラックを再舗装することを決定した。

 当時のF1の運営団体であるFISAは、トラックの再舗装に時間がかかることを十分認識していた。1984年当時のレギュレーションでは、イベント開催まで60日を切った場合はいかなる作業も行なえないことになっていたが、FISA側はそのルールが守られるだろうと考えていた。

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最終更新:3/28(土) 18:10
motorsport.com 日本版

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