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無人コンビニも開店、新駅高輪ゲートウェイの狙いは何か

3/28(土) 8:30配信

ITmedia ビジネスオンライン

 テクノロジーが多く投入されたJR東日本の高輪ゲートウェイ駅は、3月14日に開業した。3月23日には駅の目玉となる無人コンビニ「TOUCH TO GO」もオープン、すでに開業して何日も経っているのに多くの人が見物に訪れており、新駅への注目の高さがうかがえた。

無人コンビニ「TOUCH TO GO」(写真を見る)

高輪ゲートウェイ駅に降り立つ

 「次は、高輪ゲートウェイ、高輪ゲートウェイ」――。山手線に乗っていると、車内アナウンスが聞こえてくる。品川を発車した山手線の列車は、車両基地を右手に見つつ、高輪ゲートウェイ駅に滑り込む。ドアが開きホームに降りると、木目調の床面と広々とした空間が印象的だ。

 電車の案内は天井から吊り下げられているのではなく、ホーム上から伸びる四角い柱に取りつけられている。ベンチも、木目調の曲線を使用したデザイン。ホーム上の点字ブロックは、薄い黄色であり、全体的な色調との統一を図っている。ただし、これはしっかりとした黄色のほうが弱視の人にとってはいい、という意見も出てくるかもしれない。

 ホーム階から改札フロアーへと向かうエスカレーターに乗ると、空間の広さを感じることができる。橋上駅(駅の機能をプラットホームの上階部分に集めた駅のこと)の多くは、全体像を眺められないようになっており、ホーム階と改札階が小さくまとめられている。

 しかし高輪ゲートウェイ駅は、橋上駅でありながら、空中の広い空間を生かし、開放感が漂っている。JR東日本の新駅建築の意図であり、今後できるであろう新しい街のイメージを高め、魅力を感じてもらえるようになっている。

無人コンビニ「TOUCH TO GO」

 改札階に上がると、無人コンビニ「TOUCH TO GO」がある。筆者がこの駅を訪れた3月23日はこの無人コンビニのオープン日だったため、多くの人が並んでいた。

 その並んでいる人の整理を、運営会社の社員が行っていた。「TOUCH TO GO」の運営会社は、サインポストとJR東日本の子会社・JR東日本スタートアップによる合弁会社である。

 なぜ、無人コンビニをつくったのか。背景には働き方改革や人手不足といった問題があり、無人AI店舗をつくることで、その状況を打破しようという意図がある。

 サインポストは無人AI決済システム「スーパーワンダーレジ」を開発し、そのシステムをJRの大宮駅で実際に使用してみた。その結果がよかったことから、高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニ「TOUCH TO GO」ができることになったのだろう。

 駅ナカにコンビニをオープンするとなれば、グループ会社のJR東日本リテールネットが運営する「NewDays」の設置が考えられる。しかし新しいものを入れるには新しい駅で入れたいという考えもあるのだろう。この駅では「TOUCH TO GO」を導入することになった。

 では、実際の「TOUCH TO GO」はどんな店か。列に並んで中に入ってみることにした。係の人に聞いてみると、通常は無人で、このように人を整理するようにはなっていないという。

 自動ドアの前で十数分並び、係の人の案内で中に入る。店には「交通系ICカードしか使用できない」という注意が掲げられている。

 自動ドアを通り抜けると、入場者を制限するゲートがあって、一定数しか買い物ができないようになっている。有人店舗の「NewDays」では、多くの人がレジに並んでいて混乱することもある。そういった事態を避けるために、このようなシステムとなっているのだろう。

 しばらく待つと、制限ゲートが開いた。チョコレートを買うことにする。店の品ぞろえは、ちょっと高級なお菓子や、パン、カップめん、飲料のほかに、ストッキングなどの小物もあった。高級スーパー「紀ノ国屋」の弁当が並んでいた。「紀ノ国屋」は、JR東日本の完全子会社である。全体的に、「紀ノ国屋」の品ぞろえに近いという印象を受けた。ちなみに、「TOUCH TO GO」のグッズも売られている。

 しかし、新聞や雑誌などは、売られていなかった。駅売店の定番商品といえば新聞や雑誌、特に午後になると夕刊紙が積まれるが、そういったものは一切なかった。

 会計を済ませることにする。商品をレジの上に置き、タッチパネルを触ると値段が出てくるので、Apple PayのSuicaで払う。置けばすぐ金額が分かる仕組みになっている。ここにもゲートがあり、会計を済ませないと扉が開かないようになっている。ゲートが開くと、係員が備え付けの袋を渡してくれた。普段は自分で取るのだという。

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最終更新:3/28(土) 8:30
ITmedia ビジネスオンライン

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