ここから本文です

【大衆より上級】フォルクスワーゲンではなく、メルセデス・ベンツが一番売れる日本市場の不思議

3/28(土) 5:50配信

AUTOCAR JAPAN

2015年以降、メルセデス・ベンツがトップ

text:Kenji Momota(桃田健史)

世界的な高級ブランドであるメルセデス・ベンツが、欧州では大衆ブランドのフォルクスワーゲンより数多く売れる。ここ日本での現状である。

【写真】メルセデス・ベンツ/フォルクスワーゲン 最新の注目モデル【Eクラス/ゴルフ】 (133枚)

理由はどこにあるのだろうか?

日本自動車輸入組合は毎年、ブランド別輸入車新規登録台数を公表している。

それによると、過去10年間でメルセデス・ベンツがフォルクスワーゲンを抜いて、輸入車シェアでナンバーワンとなったのは、いま(2020年)から5年前の2015年と、まだ日が浅い。

さらに時代を遡ってみると、1999年にメルセデス・ベンツがフォルクスワーゲンを抑えてシェア1位だったが、2000年から2014年までフォルクスワーゲンが15年連続でシェア1位を維持していた。

それが2015年から、業界図式が徐々に変わり始めた。

2014年にフォルクスワーゲンは6万7438台だったが、2015年に1万台以上減少し、2016年が4万7234台、2017年が4万9040台、2018年が5万1961台、そして直近の2019年は4万6794台と平行線を辿り、シェア3位の座に甘んじている。

一方、メルセデス・ベンツはフォルクスワーゲン、BMWとの競争でシェア2位、または3位の時代が長かったが、2012年にBMWを抜いてシェア2位の座を確実とした後、2015年以降はシェア1位の座を維持している状況だ。

メルセデス・ベンツ優位の状況は、これからも続くのだろうか?

それとも……。

ヒエラルキーで販売台数が決まってきた

ヒエラルキー(階層)と言葉。

日本ではあまり聞きなれないかもしれない。

クルマにおけるヒエラルキーとは、所得階層によって乗るクルマが違うということ。お金持ちはメルセデス・ベンツに乗るという古典的な方程式である。

一般論では、メルセデス・ベンツオーナーの年齢層は、BMWに比べて高く、欧米企業が採用しているエグゼクティブ通勤用に支給されるカンパニーカーでも、メルセデス・ベンツユーザーの年齢は高めの印象がある。

一方、フォルクスワーゲンはドイツ語の直訳で国民車であるように、欧州大衆ブランドのド真ん中であり、庶民の乗り物というイメージは健在だ。

そうした古典的なジャーマン・ヒエラルキーに捉われず、市場拡大を狙う中で、メルセデス・ベンツとフォルクスワーゲンは、必然的に戦略が違う。

メルセデス・ベンツは「S、E、C」という定番高級路線から「A、B、CLA、GLA」へと、人口の多い庶民の「手が届きやすい方向」にラインナップを拡充。

フォルクワーゲンはその逆で、「より高級」へ向かうと、当然そこではアウディとバッティングする、という壁にぶちあたる。

メルセデス・ベンツのほうが多モデル化の恩恵が受けやすい。

こうしたブランドの基本構造を踏まえた上、日本でのメルセデス・ベンツ販売拡大には別の要素が見え隠れする。

1/2ページ

最終更新:3/28(土) 5:50
AUTOCAR JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事