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文化庁長官の“ポエム”に失望も。「補償なき自粛要請」が文化芸術の灯を消す

3/29(日) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、国や自治体はイベントの延期・中止や不要不急の外出自粛を呼びかけ続けている。

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ところが、行政の要請に応じて興行を中止した場合に生じる損失の補償制度がないため、文化芸術、エンターテインメント業界などで働く人々からは、補償がなくても「自粛」を決断せざるを得ない状況に不安の声が出ている。

「自粛で収入ゼロ」相次ぐ悲鳴。特別貸付制度はあるが…

政府の自粛要請からはや1カ月。この間にイベントやコンサート、演劇や演芸の公演が次々と中止・延期になった。映画の公開延期も相次ぎ、博物館や美術館も休館し、スポーツも開催延期や無観客試合となっている。この週末の土日には東京都の要請に応じ、都内に4つある寄席定席や大手シネコンなども休業した。

これまでに政府は、日本政策金融公庫を通じて新型コロナウイルス感染症の影響を受けた個人事業主、中小企業などを支援する特別貸付制度を創設した。数年間は「実質無利子・無担保」で融資を受けられるようにし、国税の納付を1年間猶予する制度もある。

しかし「貸付」はあくまで「借金」であり、「交付」ではない。アート、エンターテイメント、スポーツ業界など文化・芸術分野で働く人々向けの補償も現時点ではない。こうした人々の中には、生活の糧を失っている人もいる。

上方落語家の桂あおばさんは2月27日時点のBusiness Insider Japanの取材に対し、落語界ではひと月の仕事(大体10~15本)のうち「3分の1~半分ぐらいが飛び始めています」「給料の半分くらいか、それ以上がなくなっている方もいらっしゃると思います」と証言している。

すでに3月末を迎え、家賃や光熱費、ローンなどの支払いに負われる人々の不安も募っている。以下は3月19日にあった政府の個別ヒアリングであがった訴えだ(※議事要旨はいまだ公開されておらず、事務方の説明要旨から引用した)。

「イベントの自粛の要請、フィットネス・ライブハウスの運営の自粛、それから全国の一斉休校の要請という3つの要請で、休業を余儀なくされているフリーランスの方々は、全てではありませんが、その影響を受けているところでは、収入がゼロになってしまうといった状況にもなっている」(フリーランス)

「卒業式など会合に関するお花、花束がキャンセルされている」

「結婚式関係も大変なことになっている」

「音楽スクールも、密閉された防音室で行われているため、換気が行き届かないという理由でキャンセルが続いている」(生花店・音楽レッスン運営)

「臨時休校に伴って、習字教室も休校をしていて、収入が立たなくなっている。個人事業主で賞与もない」

「特別講習を春休みの時期に開催して、それを賞与の代わりにと考えていたけれど、それもなくなってしまった」

「テナント費や光熱費も掛かるので赤字となってしまう」(習字教室運営)

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最終更新:3/29(日) 22:01
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