ここから本文です

【ロレックス】通信 No.034|デイトナが30万円も下落したリーマン・ショック時を振り返る

3/29(日) 7:10配信

ウオッチライフニュース

 前回のロレックス通信では、新型コロナウイルスの猛威がロレックスの実勢価格にも影響を及ぼしはじめたことについて触れたが、今回は、それによる今後の経済情勢で最近よく比較されるリーマン・ショックについて、参考までに当時のデイトナの状況を、筆者が刊行している高級時計専門誌“パワーウオッチ”で2010年7月に取り上げた特集記事「デイトナがついに90万円台に突入」をもとに振り返ってみたいと思う。

 2008年秋に起こったリーマン・ショック。それに端を発した世界的な経済不況は日本経済にも大打撃を与えた。とりわけその中心にあるアメリカ経済を立て直すために取られたのが“ドル安政策”だった。当然のごとく円高が加速。それによって日本企業の業績が次第に悪化、赤字になる企業が続出し、リストラや派遣切りが行われて社会問題化したことはみなさんも記憶に新しいのではないか。もちろん高級腕時計市場にも多大な影響をもたらした。

 さて、そんな当時のデイトナの状況をリーマン・ショック前後も含めて振り返ってみると、グラフ(1)からもわかるように、07年頃を境に実は世界的な好景気を受けて全般的に右肩上がりに高騰していた。特に08年はリーマン・ショック直前の8月に、ちょうど北京オリンピックが開催されるなど中国市場が活況を呈していたこともあって、新興国の需要が全体的に大幅に伸びていた時期だった。

 そのためリーマン・ショック直前までは、日本国内の並行輸入市場においても流通量が激減し、最も人気の高いオールステンレスタイプ(旧型Ref.116520)の実勢価格は、当時の国内定価(消費税5%で99万7500円)よりも約50万円も高い140万円台半ばから後半と当時としては過去最高を記録していたのである(グラフで07年よりも08年が若干下がっているのはリーマン・ショック後の11月時点の相場に他の年度と揃えたためだ)。

 しかし、リーマン・ショック後はその状況も一変する。軒並み暴落を始め09年1月には一時的とはいえ100万円を切るデイトナが流通するなど業界を驚かせた。一説によると、当時オーストラリアドルが暴落したことにより、そのルートを使って通常よりも安く仕入れられた個体だけに限って起こった現象だったようで、事実それも2~3週間で収まり、値を戻している。

 ただ、値を戻したといっても105万円前後。前年(08年)の11月に135万円(グラフ1)だった実勢価格は、結果的にわずか2カ月あまりで30万円近くも急激に下落したことになる。
 
 09年は、その後も105万円ぐらいを境に、多少上下はあるものの年間を通じて安定して推移していた。しかし、10年になるとその状況が再び一変する。グラフ(2)を見てもらいたい。その年の2月頃から少しずつ値下がりを始め、5月下旬にはついに100万円をまたもや切ってしまったのである。

1/2ページ

最終更新:3/29(日) 7:10
ウオッチライフニュース

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事