ここから本文です

トヨタとNTTの提携 途方もない挑戦の始まり

3/30(月) 10:10配信

ITmedia ビジネスオンライン

 3月24日、トヨタ自動車と日本電信電話(NTT)は、相互に2000億円の株式を取得する提携を発表した。

実証都市「Woven City」のイメージ

 トヨタは、NTTが実施する第三者割当による自己株式の処分により、NTTの普通株式8077万5400株(発行済株式総数に対する所有割合約2.07%、総額約2000億円)を取得、NTTは、トヨタ自動車が実施する第三者割当による自己株式の処分により、トヨタ自動車の普通株式2973万0900株(発行済株式総数に対する所有割合約0.90%、総額約2000億円)を取得する。

 という概要なのだが、まず規模が途方もない。トヨタアライアンスが成立した際、マツダ、スバルとのそれぞれの提携は500億円規模であったが、その実に4倍。トヨタの年間営業利益が約2兆5000億円なので営業利益の8%。約1兆円の年間研究開発費の20%に相当する。

未来を生み出すために

 さてこの提携で何をするのか、そしてなぜここまで大規模なのかを説明しないと、解説にならないだろう。ちょっとクラクラするくらい大変だが、やってみる。

 まず、豊田章男社長の言葉を引用しよう。

 (今回の提携は)NTTとともに未来を創造するための投資だと我々は考えていまして、価値観を共有し社会の発展を目指すパートナーとして長期的かつ継続的な協業関係を構築する上には、一方的な出資ではなく、パートナーと対等出資することで、お互いに学び合い、競争力を高め合うというところに意義があると言うふうに思っております

 多分、ここでのキーワードは「社会の発展」だ。社会全体にはささいな困ったことがたくさんあって、それらが積み重なって諸々の問題を生み出している。

 先日友人の薬学博士と話した時に面白い話を聞いた。彼は筆者が書いたブロックチェーンの記事を読んで、実は医薬の世界でも情報の蓄積が途切れることが大きな問題になっているというのだ。例えば、医師が診察して、投薬の処方箋を書く。薬局でこれらを処方するところまでは情報のチェーンはつながっているのだが、そこから先が途切れてしまう。

 患者が本当にその薬を飲んでいるかどうかは自己申告に頼るしかなく、本当はタンスに仕舞い込んでいながら、「ちゃんと飲んでいる」と言われればそれを前提に次の処方箋が書かれることになる。

 医者は症状が緩和されないことを見て、薬の投与量を増やす。そうやってどんどん大量の薬が処方されて、使われないまま大量にタンスに死蔵され、各自治体は健康保険料の負担に苦しみ、健康保険の不足を税で補填(ほてん)しているため、結局増税につながっていく。

 だからこの薬にマイクロチップを入れて、胃酸と反応して発電し、情報を飛ばす技術が生み出された。これでいついくつ服用したか、ほかにどんな薬と一緒に服用したかが全て分かる。普通に考えてこのチップは人体に影響を与えないよう考慮されているのだろう。

 まだ研究レベルの話らしいが、こういう情報技術によって、人のモラル任せでは解決できない諸問題が解決できることが世の中にはおそらく無数にあって、だからこそ情報化技術は「社会の発展」に寄与できる目算が大きい。

1/4ページ

最終更新:3/30(月) 12:14
ITmedia ビジネスオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事