三味線に合わせて節と啖呵を交えながら物語る話芸「浪曲」。
愛好家には独特のグルーヴ感を醸し出すうなりの魅力に酔いしれる通な年配者のイメージが強いが、近年は女性を中心に若年層からも支持を集めているという。
その新風の中心にいるのが、渋谷・ユーロスペースで行われている初心者向け落語会『渋谷らくご』などに出演する玉川太福である。
放送作家やコント芸人などの職を経て、27歳にして二代目・玉川福太郎門下に入門した彼は、電気工員として働くカナイくん(30代)とサイトウさん(50代)の2人の些細な日常を描いた新作創作浪曲『地べたの二人』シリーズなどで人気を集め、浪曲界の若手代表として多くのメディアに取り上げられる存在となっている。
目下、若返りが進みつつある演芸の世界において、浪曲界の新星はどんなエンターテインメントの未来をみているのだろうか。
ーーー講談師の神田伯山さんが23月に、落語家の瀧川鯉八さんが5月に真打昇進されるなど、太福さんと同世代の芸人さんたちによって演芸界に注目が集まっていますね。
いまはメディアや娯楽がものすごく多様化しているじゃないですか。私の頃の娯楽はテレビが圧倒的だったけど、動画配信などの多種多様なサービスが身近になっていくなかで、その対極にあるアナログの価値が、逆に再認識されているような気がしています。音楽でも、レコードが見直されていたりするけど、その場所に行って実体験することの流れが、少し上向いてきたんじゃないかなと。
ーーー落語、講談と合わせ三大話芸と呼ばれる浪曲においては、やはり太福さんの存在が大きいかと思います。
もちろん多くの人が得られないような機会をたくさんいただけている実感はありますが、浪曲は歌、語り、演目などさまざまな要素があって、私はそのなかの笑いの要素、面白おかしいところに特化してやっているので、いわゆる浪曲界全体を背負っているような意識はまったくないんです。
浪曲師は十人十色で、聞いていただければお客さんそれぞれにささる浪曲が必ずあります。あると思うので、自分はその入り口になれたらいいなと考えています。
ーーー太福さんは、古典演目も磨かれていますが、『地べたの二人』に代表される、現代劇的なアプローチで些細な日常を描いた新作浪曲が印象的です。ご自身が注目されている理由は、どんなところにあると考えていますか?
そうですね。私は浪曲をはじめる前にコントをやっていた時代があって、日常的なものを面白がるというのは土台にあると思います。ただ、もし私が浪曲師としてすこし抜けているところがあるとしたら、浪曲を知らない人にどう楽しんでもらうか?ということを、めちゃくちゃ考えていることかもしれません。
浪曲はお客さんのパイが少ないので、愛好家の方に喜んでもらおうとすると、どうしても一見さんの入りにくいお店のようになっていってしまうんです。
もちろん、馴染みのお客さんに成長を見せていくことも大事なんですが、私は常に浪曲を知らない方に食いつかせようと腹にグッと力を入れて戦ってきたので、その積み重ねですこしずつ引き立てていただけるようになったのかなと思います。
最終更新:3/30(月) 18:07
テレ朝POST
































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