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【千葉のあれから】「やっとついた」4日半に及んだ大停電、子育て家族はどう乗り越えた?

3/30(月) 14:00配信

千葉日報オンライン

 千葉県に房総半島台風(台風15号)が襲来した2019年9月。木更津市に住む共働き夫婦と3歳の長女は、4日半に及ぶ停電を余儀なくされた。ランタンの明かりで過ごす暗闇生活、カセットコンロで沸かしたお風呂、電話がつながらない保育園―。まだ蒸し暑さが残っていたあのとき、妻のおなかには妊娠6カ月の新しい命が宿っていた。子育て中の家族は、長期停電をどう乗り越えたのか。(千葉日報社・武内博志)

 ガタガタガタ、ミシミシ―。経験したことのないような暴風が購入して1年のマイホームを揺らす。「これヤバイね」。あまりの風の強さに木更津市の団体職員、小磯亮平さん(35)一家は眠れずにいた。

 窓は閉まっているか、雨漏りはしていないか。外の様子も気にしながら、妻の理恵さん(33)は、ただただ家の中を「ウロウロ」していた。傍らには長女の凛乃ちゃん(3)、そしておなかには妊娠6カ月の新しい命が宿っていた。

 2019年9月9日。台風15号の猛威に不安を募らせていた午前2~3時ごろ、小磯家の部屋の明かりはフッと消えた。4日半に及ぶ停電の始まりだったが、夫妻はこの時、県内であれほどの長期・広域停電が続くとは思いもしなかった。

始まった停電生活、眠れずに一夜過ごす

 「すぐに復旧するだろう」。そう思いながら、小磯さんは前年6月に買った防災リュックからランタンを取り出し、暗闇を照らした。頻発する地震で購入者が増えているとのニュースを見て、インターネット通販で1万7500円で入手した防災グッズだ。携帯ラジオや非常食、簡易トイレなど災害時に必要な道具が入っている。一家はランタンのわずかな明かりで一夜を過ごし、ほとんど眠ることはできなかった。

 夜が明けると、隣家の屋根が吹き飛んでいる衝撃の光景が飛び込んできた。自宅は網戸が破れる程度の被害で済んだが、暴風の威力はすさまじかった。

 「職場にはいけるだろうか」。夫妻は共働きで、台風が過ぎ去ったこの日は月曜日。理恵さんは、凛乃ちゃんを預けている市内の保育園に電話を掛けたが、つながらない。10分ほど車を走らせ保育園に着くと、園も停電していた。途中、動かない信号機を何度も通過し、浸水した道路を迂回した。

 幸い受け入れは可能だったが、会社を休む保護者が多いのか、園児は普段より少なめ。冷房が使えない保育園では、子どもたちが熱中症にならないよう先生が一生懸命うちわであおいでくれた。園職員も自宅が停電する中、非常事態を乗り切ろうと必死だった。

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最終更新:3/30(月) 14:00
千葉日報オンライン

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