ここから本文です

【まだ出口は見えず?】アストン マーティンの苦境は続く 注視が必要

3/30(月) 9:50配信

AUTOCAR JAPAN

わずか数時間で

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)

「政治の世界で1週間は長すぎる」というのは使い古された決まり文句だ。

【写真】業績アシストに期待 アストン初のSUV「DBX」【ディテール】 (48枚)

だが、最近アストン マーティンは、株式市場ではわずか数時間で企業の命運が左右されることもあるということは証明している。

皮肉にも、今年1月23日にはDBXのポテンシャルを評価したシティグループのアナリストが、アストンを「ハイリスク・ハイリターン」銘柄だとして将来の目標株価を6ポンド(800円)に設定していたのだ。

アストン マーティン・ラゴンダPLCが2018年10月に株式上場を行って以来、その株価は売出価格である19ポンドから下がり続け、2018年12月14日には11.56ポンドにまで下落している。

確かにアナリストの多くが上場価格そのものが過大に評価されていたと感じていたものの、2カ月も掛からずにアストンの株価はその価値を約40%も失ったことになる。

状況がやや好転する兆しを見せたこともあったが、2019年1月18日を境にふたたびアストンは苦境に見舞われている。

2018年のアストンは概ね好調だったと言われていたことを考えれば、こうした状況はやや驚きと言えるものだった。

2018年にはV12モデルが1785台、V8モデルが4471台の販売を記録した一方、米国販売は38%増加し、アストンの売上も25%アップの11億ポンドに達していたのだ。

「スペシャル」モデルを除いた平均的な販売価格は14万1000ポンドにも達していたが、それでもアストンの投資計画に対しては、十分ではなかったのかも知れない。

驚きの事実

それでも、こうした数値から窺い知ることの出来ない驚きの事実とは、上場には1億3600万ポンドものコストが掛かっており、その結果、年間収益はわずか6800万ポンドに留まったということだ。

将来のモデル展開に関する投資家向けプレゼンテーションは極めて自信に溢れたものだった。

クロスオーバーモデルのDBXに加え、ヴァンキッシュとヴァルハラというふたつの新型ミドエンジンスーパーカー、さらに2021年と2022年にはラゴンダから電動SUVとEVサルーンの登場が予定されていた。

こうした積極的なモデル展開や155台限定の完全EVモデル、ラピードEに加え、アストンではDB4 GTザガート・コンティニュエーションとDB5ゴールドフィンガー・コンティニュエーション、さらにはハイパーカーのヴァルキリーにおけるふたつのバリエーション追加を発表していたのだ。

DBX用に新セント・アサン工場への投資を決断したのと同じく、明らかにこうしたモデル展開は、特にアストンのような小規模メーカーにとっては極めて野心的と言えるものだった。

2019年上期も全般的に株価は下落基調にあり、5月24日には8.43ポンドまで下がったものの、7月には一旦10ポンドを上回る水準まで回復している。

1/3ページ

最終更新:3/30(月) 9:50
AUTOCAR JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事