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灘を辞退して、公立中高一貫校に決めた我が家の理由 お金だけではない背景

3/31(火) 11:22配信

朝日新聞EduA

発達障害がある子や「グレーゾーン」と言われる子の中には、中学受験を目指す子もいます。今年1月、自閉症スペクトラムの息子が兵庫県の名門・灘中学校に合格したものの、結果として地元の公立中高一貫校への進学を決めたブロガーのなないおさんが、我が子の中学受験を振り返ります。

「灘合格したーーーーー!!!嬉しいーーーーー!!!」。SNSでうっかり息子の中学受験の結果をつぶやいて思わぬ注目を集めてしまったことから始まり、こちらに連載をさせていただくことになりました。

灘中学に合格するお子さんはたくさんいらっしゃいますが、プチ炎上になってしまったのは、「合格したー!」に続けて、「数学が好きな子で、行かせてやりたかったけども行かせてやれない、情けない」、と私がつぶやいてしまったからでした。「行かせられないのになんで受験したの」って疑問に思う方は、そりゃ多くいらっしゃると思います。そしてありがたいことに「お金の面で通えないのであれば、支援する」とお申し出くださった方々もいらっしゃいました。大変心苦しいですが、灘中学に通えない理由はお金の面だけではなかったので、事情を説明し辞退させていただきました。

私は新中学3年生の娘と、新中学1年生の息子を育てるシングルマザーです。子供たちは2人とも発達障害と呼ばれる特徴を持っています。息子は6年間ずっと小学校の特別支援学級に在籍していました。

発達障害を持つお子さんの中学受験を考えていらっしゃる方も多く、体験談の一つとして書かせていただければと思っております。発達障害を持っているから中学受験をしたほうがいいという話ではありません。あくまでも我が家の選択の話です。

塾の特待生 条件は「灘中受験」

さて、タイトルにありますように、息子は灘中学を受験し合格したわけですが、実際に通うのは地元の公立中高一貫校です。ここも受験して合格いたしました。

実は娘も受験して同じ公立中高一貫校に通っております。

我が家は母子家庭で経済的に余裕がなく、娘は通塾せず季節講習と家庭学習で受験しました。ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持ち、集中力がなく気が散りやすい娘に、家で受験勉強をさせるのは至難の業で、最終的には親子関係が非常にこじれて自ら児童相談所に駆け込む始末となってしまいました(現在は相談は終了しております)。

低学年の頃、子供たちを塾の体験授業や無料のテストなどによく連れて行ったのですが、その中で気に入っていたある中学受験塾が特待制度をやっていると聞きました。娘は特待生になるほどの成績ではなかったのですが、全国テストなどで好成績をあげていた息子の方はいけるかもしれない。これはチャンス!

塾内の成績次第ということでしたので、あまり受講費が高くない3年生から入塾し、灘中模試や塾テストで好成績をあげ、無事特待生となりました。特待を受ける条件として灘中学校を受験することになっていました。

本来なら、我が家にとっては、授業料がお高い中学受験塾も私立中学も高嶺(たかね)の花です。最初から公立中高一貫校が第一志望でした。

それでも算数オリンピックにずっと挑戦していた息子にとっては、歴代の覇者もたくさん通っている灘中学は憧れの学校です。数学研究部に入りたかったようです。

特待の条件と息子も了承していたのですが、親としては合格したらなんとかして通わせてやる方法はないか道を探っていました。

問題はお金の面と遠距離を通う体力。我が家は兵庫県ではありませんので、新幹線通学になってしまいます。私立中学の学費すら厳しいうちにとっては、新幹線代も含めると灘中に通う費用は天文学的金額でした。

そこで学ぶための費用を出してくれる育英財団に申し込み、2次審査の面接まで進みました。結局面接で落ちてしまったのですが、どうも息子自身があまり乗り気ではないようでした。

灘中学に入って数学研究部で学びたい気持ちはある、でも6年間早朝から新幹線で通う体力があるのか自信もない。息子は自閉症スペクトラムを持っていて、とても過敏で疲れやすいタイプなのです。

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最終更新:3/31(火) 11:22
朝日新聞EduA

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