「買い物弱者」を支援し、地域住民の異変にも気づきやすい見守りネットワークを作る--。そうした課題意識を持つ企業や自治体の取り組みが進んでいる。なかでも、1950年代~70年代に建てられた多くの「団地」は建物の老朽化とともに、住民の高齢化が深刻な課題。その中に入り込み、「食」の課題解決に取り組む企業の動きを追った。
「ワタミです。お弁当をお届けにまいりました」
大規模団地としては都内でも有数の高島平団地(板橋区)。ここに住む90代と80代の高齢夫婦は10年以上前からワタミ(本社・東京)の宅食を利用する常連だ。「二人とも足が悪くて買い物に行けない。料理もしなくて済む。ワタミさんのお弁当はバランスがとれていて健康的だし、味も良い。私たちの健康のもとですよ」
お弁当は平日の決まった時間に、「まごころスタッフ」と名付けた担当スタッフが配達する。毎回、同じスタッフが届けるのが、ワタミの宅食の特徴。「スタッフの方とコミュニケーションするのも楽しみ」と利用者の評判も上々だ。
外食大手のワタミが宅食サービスに乗り出したのは2008年から。昨年10月には、高島平団地内に板橋高島平営業所を開設した。団地内に拠点を設けるのは初めてのケースで、近隣に住む主婦らが宅配スタッフとして活躍している。
「地元の雇用を進め、地域に貢献する『食と職の提供』がモットー。高齢者の見守りやコミュニケーションを図れるまごころスタッフが一番の商品価値」と宅食事業本部の青木一郎さんは言う。狭い団地内で効率的に配達できるよう、手押しのかご車も独自に開発した。
統計調査会社の富士経済(東京)のまとめによると、「病者・高齢者食宅配」の2019年の市場見込みは968億円。前年と比べて2.7%増加しており、今後も高齢者が増えることから、さらなる伸びが期待されている分野だ。
ダイエー(本社・東京)も1月20日から、高島平団地の近隣店となる「ダイエー西台店」(東京都板橋区)で移動販売をスタートさせた。昨年11月に横浜・港南台で移動販売を始めた初めたのに続き2例目。周辺は坂道があり、健康上の理由や子育てで来店が難しい客も増えていることに対応したサービスだ。
最終更新:3/31(火) 11:00
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