トヨタから新型車「ヤリス」がデビューした。馴染みのないネーミングかもしれないが、実はコレ、トヨタの王道コンパクトカーだった「ヴィッツ」の後継モデル。
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これまでも、ヴィッツの海外仕様にはヤリスのネーミングが使われていて、今回それを“逆輸入”したことになる。人々に広く浸透した名称をズバッと変えるとは、トヨタも随分、思い切ったことをしたものだ。しかし、変わったのは名前だけではない。クルマ自体もドラスティックに変化していたのだ。
ドラスティックな変化を感じさせるヤリスのポイント、それはまずデザインとパッケージングだ。
先代に相当する3代目ヴィッツと比べると、ヤリスはひと目見て引き締まった印象を受ける。ヤリスのボディサイズは、全長3940mm、全幅1695mm、全高1500mm(FF車)で、ヴィッツより5mm短く、30mm低く、それでいてホイールベースは、40mm長い2550mmへと延長された。この結果、ヤリスはより低く構えた姿勢となったのだ。
その上、数値に表れない変化として、リアシート部の左右やリアウインドウが絞り込まれたことで、ギュッと凝縮されたフォルムになった。さらに、タイヤを車体の四隅に張り出させることで、安定感も強調。特に、前後フェンダーの強い張り出し感などは、「ここまでやるか」というほど大胆な形状だ。
デザイナーによると、ヤリスのエクステリアは「ムダをそぎ落した“凝縮キャビン”と、ボディの中心から前後タイヤに向かう引き締まった造形」を目指したという。それはいわば、従来型コンパクトカーで見られた“広く感じさせる実用的な雰囲気”から、“躍動感あふれるダイナミックな造形”へのシフトともいえる。
それとともに、ヤリスは車体のパッケージングも大きく変わった。コンパクトカーは一般的に、広い後席スペースの確保を前提に、パッケージングを組み立てる傾向にある。しかしヤリスは、まずは運転を楽しむための理想的なドライビングポジションを想定。そのためにまず、前席の着座位置を下げ、スポーティな運転に適しているとされる“低い着座姿勢”にこだわった。
その影響から、後席に座った際は前後シート間の距離が短く感じ、キャビン左右の絞り込みもあって、ライバルに比べて閉塞感を覚える。また、ラゲッジスペースも決して広大ではない。
とはいえ、そんなことなど開発陣は承知の上。それでもあえて、ドライバー中心のクルマ作りを行い、ヴィッツよりも圧倒的に“ドライバーファースト”のクルマに仕立ててきた。
では、なぜそんな割り切りができたのか? 実はトヨタは、新しいヤリスと基本メカニズムを共用する、新型クロスオーバーSUVの発表を控えている。あくまで想像に過ぎないが、ヤリスは走りや燃費、そして、軽快な運転感覚を重視した存在とし、後席の広さや使い勝手を重視するユーザーは新しいクロスオーバーSUVでカバーするという“すみ分け”を、トヨタ陣営は思い描いているのかもしれない。
一方、インテリアは、ムダなものを削ぎ落としたスポーティな仕立てが印象的。ハンドルの小径化や、インパネ断面を薄くすることなどで、車内をできるだけ広く感じさせるとともに、トヨタ初となる“フードレス双眼デジタルTFTメーター”の採用など、操る楽しさを予感させる装備も充実している。
また上級グレードには、インパネなどにソフトパッドがおごられ、質感も上々。スマートフォンと連携するディスプレイオーディオを、操作性を考慮してインパネ中央の高い位置にレイアウトするほか、随所にトレー類を配して小物の収納に配慮するなど、コンパクトカーならでは気配りも感じられる。
最終更新:3/31(火) 7:00
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