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余生の時間が長い国ランキング、退職時の貯蓄ギャップの拡大

4/1(水) 10:00配信

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高齢化が進む欧米や東アジア諸国。ヘルスケアの発展や健康志向により寿命が伸びており、OECD諸国では余生の時間が20年以上という国も今や珍しくはない。多くの人は退職後のために十分な貯蓄をしていないうえ、政府の年金制度が前例のない緊張に直面している事態は、日本だけではない。

世界経済フォーラム(WEF)が発行した「Investing in (and for) Our Future」ホワイトペーパーや諸外国の記事を参考に、今回は世界各国の高齢化と余生時間の現状に触れつつ、各国の貯蓄ギャップ問題の深刻化とその議論の最新動向をお伝えする。

増え続ける高齢者人口と長くなる退職後の生活期間

高齢者の人口とその割合が増え続けている。世界経済フォーラム(WEF)によると、現在世界中で65歳以上の人口が5歳以下の人口を史上初めて上回ったとの試算がある。

国連の世界保健機関(WHO)統計では、今世紀半ばである2050年までには、世界人口の60歳以上の割合は2015年の数値12%のほぼ2倍である22%に達するといわれている。

それに付随して退職後の生活期間も長くなっている。ドイツのリサーチ機関Statista社は「誰が一番長い退職後の生活を送っている?」というタイトルで表をまとめている。

この表の中で余生の時間が最も長いのはフランスとスペインの女性。ともに26年という長い時間を過ごしている。フランスの男性は22.7年とOECD諸国・男性の中では最長で、スペインの男性は21.7年。続いてイタリアでは20.7年、ドイツでは18.9年などとなっている。

退職後人生を送る期間は、表の西ヨーロッパ諸国では男女ともに平均20年以上となる。これは、ヘルスケアの技術が高まっているのとともに、健康的な食事や定期的な運動を促進するライフスタイルへの、世界的な認識の高まりなどが影響している。

理想と現実、貯蓄ギャップの広がり

余生の時間が長くなること自体、長生きする人が増えることであり好ましいことだが、一方で余生に必要な貯蓄と実際の貯蓄のギャップが広がるという問題が各国で深刻化している。

WEFのレポートでは、各国の貯蓄ギャップの広がりを2015年のものと2050年の予想とで比較し表にしている。

これは世界の主要な年金市場または人口を抱える8か国(オーストラリア、カナダ、中国、インド、日本、オランダ、英国、米国)で調査されている。まず8か国全体で2015年には既に70兆ドルであったギャップが、是正措置が講じられない限り、年々5%ずつ増えていき、2050年までには400兆ドルまで拡大すると予測されている。

国別にみてみると、米国における高齢者の貯蓄ギャップは2015年に28兆ドルに上るものだったが、2050年にはその約5倍の137兆ドルに膨れ上がると見込まれている。

ギャップは毎年3兆ドルの割合で拡大しており、この増加の値は、米国の年間防衛予算の5倍にも匹敵する。中国でも2015年の11兆ドルから、2050年には119兆ドルになる見込み。日本では2015年の11兆ドルから年2%ずつ増えて、26兆ドルとなる。

国際機関が警鐘を鳴らし、拮抗する対策が各国で早急に求められてきているのは世界で自然の動きだと言える。

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最終更新:4/1(水) 10:00
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