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五輪延期、志村けん死去、朝ドラ「エール」はどうなる?

4/1(水) 7:03配信

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3月30日から始まったNHK連続テレビ小説「エール」。スポーツ音楽を作曲し続けた主人公を描くエールは、新型コロナウイルス感染拡大でスポーツができないこの状況下、どんな意味をもつのでしょうか。今後「エール」はどう描かれるのか考えます。

なんとも前途多難な幕開けである。3月30日から始まったNHK連続テレビ小説「エール」のことだ。初回冒頭で描かれたフラッシュモブもまあ心配の種ではあるものの、悩みの根はもっと深い。新型コロナウイルスによるさまざまな影響が今、このドラマに襲いかかろうとしている。

2020年に「エール」を描く理由と、その思惑が外れた今

月曜放送の「エール」第1話で描かれたのは、1964年東京五輪の開会式。窪田正孝が演じる主人公・古山裕一は、自身の作曲した入場行進曲「オリンピック・マーチ」が世界中の耳目を集める瞬間に立ち会おうと、二階堂ふみが演じる妻・音とともに国立競技場の観客席へと向かう……そんなシーンだった。

古山裕一のモデルは、「和製スーザ」「日本のマーチ王」と謳われた作曲家、福島県出身の古関裕而だ。登場人物の名前こそ変われど、このドラマでは古関裕而が実際に作曲した名曲の数々がその史実に合わせて登場する予定とされている。

なかでも、代表曲は上述した「オリンピック・マーチ」であり、「栄冠は君に輝く(全国高等学校野球大会歌)」であり、「六甲おろし(阪神タイガースの歌)」「闘魂こめて(巨人軍の歌)」など、日本のスポーツシーンを彩る応援歌の数々だ。

この原稿を書いている筆者自身、福島県出身で現在はスポーツライターとしての肩書きでも仕事をしているため、古関裕而については以前から関心のあった人物だ。帰省するたびに「古関裕而を朝ドラのモデルに!」といった活動が地道に続いていたことを知っていただけに、実際にドラマ化され、それが2020年放送と聞いて、なるほどNHKは商売上手だな、と思ったものだ。

というのも、本来、東京五輪があるはずだった2020年は、日本にとって空前絶後のスポーツイヤーとなるはずだったから。だからこそ、そのスポーツを音楽で盛り上げてきた偉人にスポットを当てたはずなのだ。余談だが、昨年のNHK大河ドラマ『いだてん』最終回でも1964年東京五輪の開会式をクライマックスとしていたことを考えると、NHKは年をまたいでオリンピックの盛り上がりをドラマで描こう、としていた狙いが見えてくる。

本来であれば。番組初回放送から先んじること4日、3月26日に古関裕而生誕の福島県から始まる聖火リレーで東京五輪への機運はますます上昇。そんななかで「エール」は初回の放送を迎え、そこで前回東京五輪の開会式を描く……そんな計画だったはず。実際には盛り上がるどころか、五輪開催の1年延期が決まったなかでの初回放送と、噛み合わない船出となってしまった。

不運はさらに続く。初回放送から2時間もせずに流れた志村けんの訃報だ。今後、5月頃から「エール」でも日本を代表する作曲家として出演予定だったという。

すでに撮り終えている部分もあり、番組公式Twitterでは「志村けんさん、いつまでも新しいことにチャレンジする姿に、みな「エール」をもらいました。収録したシーンは、そのまま放送させていただく予定です」とコメント。ただ、4月以降に撮影予定だったシーンもあるようで、それらは幻となってしまった。また、志村けんをゲストに迎えたPR展開も考えていたはずで、それらが見たかったという点でも本当に残念でならない。

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最終更新:4/1(水) 11:40
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