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子供じみた米中非難合戦、共に立ち向かうべき時に

4/1(水) 14:30配信

ニュースソクラ

【軍事の展望台】台湾は中国情報に機敏に反応、抑え込みに成功

 世界で感染者40万人超、死者1万9000人余を出している新型コロナウィルス感染症を巡って、米国と中国はたがいに相手を非難し合っている。

 この疫病は世界全体に脅威を及ぼし、諸国の経済に大打撃を与えるから、人類の敵であり、各国は全面的に協力してこの制圧に努めるべきところだ。子供じみた悪口雑言の応酬に耽るとは呆れるほかない。

 米国の安全保障担当の大統領補佐官、ロバート・オブライエン氏は3月11日、ワシントンの保守派政策研究機関「ヘリテージ財団」での講演で「中国が医師の告発を封じ込んで発生を隠ぺいしたため、世界各国の対応が2か月遅れた」とし、中国の責任を強調した。

 トランプ米大統領、ポンペオ国務長官らも新型コロナウィルスを、「中国ウィルス」「武漢ウィルス」などと呼び、中国が情報共有を積極的に行わなかったため、米国の対処が遅れたと主張した。

▼中国は昨年末にWHOに通報

 だが中国は昨年12月31日に国連の「世界保健機関(WHO)」に対し、「武漢で原因不明の肺炎が27例発生、うち重症7例を確認した」と通報し、WHOはこれを発表していた。

 これを知った台湾の衛生福利部(日本の厚生労働省に相当)はただちに反応、武漢から到着しつつあった旅客機の着陸前に検疫官を急行させ、機内に入って乗客を検査し、空港内での入国時検疫も強化。即日「注意喚起」を発した。

 台湾政府は1月2日に伝染病予防治療諮問会を開き、中国から台湾に戻った人々の経過観察を行うことを決定、携帯電話の通話記録などから訪問した地域を調べることも行った。1月26日には本土からの観光客の入港停止、2月6日には本土の中国人の訪問を全面禁止するなど、厳しい政策と、ITを活用した徹底的な検査を迅速に実施し、3月25日時点で感染者235人、死者2人に食いとめた。

 台湾と中国本土の多数の空港を結ぶ航空便は1日往復100便に近く、2018年に台湾から本土への旅行者は614万人、本土から台湾へは266万人だった。台湾の輸出の29%は本土向けで、台湾人約100万人が本土で勤務している。近い関係であるのに、韓国の感染者8961人、死者118人などとくらべはるかに少ないことは台湾の検疫体制の成功を示した。

 台湾の副総統、陳建仁氏は米国のジョンズ・ホプキンス大学で医学博士号を得た公衆衛生の専門家。2003年に中国広東省で発生した今回のウィルスに似た「SARS(重症呼吸器症候群)」が流行、世界で916人が死亡した際には行政院衛生署長(日本の局長に相当)として感染拡大の防止に努め、台湾での死者を84人に抑えた経験があったそうだ。

 また衛生福利部長(大臣)の陳時中氏は歯科医出身で敏腕の行政官。全民健康保険制度の改革を達成した。IT担当政務委員(大臣)唐鳳氏(38歳)は15歳で米国で起業して成功。IQ180の天才と台湾で称されている。幸い優秀な人材が適材適所に揃っていたから、台湾は中国がWHOに出した通報の重大性を理解し、機敏に対処しえたのだろう。

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最終更新:4/1(水) 14:30
ニュースソクラ

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