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村井チェアマンが“公表方針”説明「人権に関わる問題」メディアにも配慮求める

4/1(水) 15:57配信

ゲキサカ

 Jリーグは1日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時合同実行委員会を開催した。終了後、村井満チェアマンがメディア向けのオンラインブリーフィングを行い、選手・関係者が感染した場合に実名公表を義務づけない方針をあらためて示した。

 Jリーグでは3月30日から実行委員会が行われた4月1日正午ごろまでの間、選手・関係者の検査で感染症例が次々と出てきた。同日にはヴィッセル神戸DF酒井高徳から陽性反応が出たことが判明し、4月1日にはザスパクサツ群馬DF舩津徹也も続いた。また同日には神戸が「トップチーム関係者」からも陽性反応が出たことを発表した。

 選手・関係者による感染状況を受けて、村井チェアマンは「Jリーグを代表する国民の皆様に心配かけている状況を申し訳なく思っている。個々の選手の行動管理が甘かったり、セルフマネジメントができていなかったりする状況ではなく、細心のプロトコル管理をしながらも発症、感染してしまう新型コロナウイルスの恐ろしさをあらためて実感している」と述べた。

 その上で、クラブから感染者が出た場合の情報公開にも言及した。

 村井チェアマンは「1400人を超える全選手がプロトコルに基づいて体調管理をしており、日常の行動記録を取っている。陽性反応が出た場合は迅速に、保健所の指導に基づいて、感染拡大を阻止するためにどのような行動を取っていたのか、濃厚接触者はどの範囲だったのか、保健所に対して全面的に協力している」とし、「行動管理をしていて、濃厚接触者の特定をしていて、保健所の指導に従い、感染経路の協力ができるなら氏名の公表は必ずしもしない」とリーグは実名公表を義務付けない方針をあらためて述べた。

 理由については「きわめてプライバシーに関わる問題、人権に関わる問題を含んでいる。選手にも家族、知人、友人、多くの関係者のプライバシーがある。一律に公表せよと命じられるものではない」と説明。「国民の利益も十分に配慮しないといけない。感染者が誰かが分かることで自分も濃厚接触者か、感染拡大を阻止できるという社会的利益がある可能性もある」としつつも、「Jリーグの中で発症者が出て、保健所とやり取りを通じて、非常に細かく、非常に丁寧に、われわれが想像する以上に濃厚接触者の特定をしていることが実体験としてわかった。素人判断で風評が広がるより全面的に保健所の対応に協力していくことが二次感染者を阻止するために有効だとあらためて確信した」と強調した。

 加えて報道陣に対して「実行委員会で情報を共有するにあたって、家族、友人、知人に取材や問い合わせが殺到していて、たいへん私生活そのものが脅かされている状況があることが分かった。メディアの皆様にも取材の配慮をいただければ」と理解を求めた。

 もっとも、各都道府県による発表では年代、性別、行動履歴などが開示されることで、二次感染の防止につながっている現状もある。しかし、現在までに判明しているJリーグの3事例では、いずれも行動履歴などは開示されておらず、なかでも4月1日に発表された神戸のケースでは「選手なのか、関係者なのか」といった対象の属性も公表されていない。

 質疑応答で公表基準を問われた村井チェアマンは「突発的に感染者が出ている中、リーグマネジメントが十分でない気がしている」と認めた。この日の実行委員会でも「チーム名に加えて、トップチームなのかユースなのかといったカテゴリは、マッチメイクをしていく上で対戦相手にも重要な情報」として一律に開示を求めたという。一方で感染経路については「相当踏み込んで保健所と協議している。保健所と協議しながら状況を開示していく必要がある」と述べるにとどまった。

 選手の感染防止に関わるプロジェクトチームの担当者もこの件について説明を実施。「直前の行動履歴についてはもう少し明らかに示すことができたらいいと感じている」と方針を語った上で「選手は個々の行動履歴を手元で残しているので、まずは保健所に全面的に協力することが当面のオペレーションだと考えている。発表については検討する」と述べた。

 村井チェアマンはブリーフィングの最後に「発症した選手から『申し訳ない』というコメントが出ているが、選手の立場からすると何度もチャレンジして、体脂肪を絞って不安な中でコンディショニングしている。選手の免疫力を下げてしまったところは個人だけでなく、リーグ全般がケアしないといけない問題。できる限りの努力を重ねていきたい」と選手へのケアの必要性も語った。

最終更新:4/1(水) 16:28
ゲキサカ

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