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武田薬品・ウェバー社長が語る「外国人が日本企業でやっていくカギ」

4/2(木) 11:30配信

GLOBE+

武田薬品工業クリストフ・ウェバー社長インタビュー

昨年、日産自動車を解任されたカルロス・ゴーン前会長が釈放中に日本から逃亡し、世界を驚かせた。日本企業で続く統治の問題は、どうしたら減らせるのか。インタビュー連載5回目では、武田薬品工業のクリストフ・ウェバー社長に日本の企業統治や企業文化について聞いた。(聞き手・五十嵐大介)

――アイルランドのシャイアー社の買収から1年たちました。その後の進捗はどうですか?

相当な進展をみせています。前回のインタビューは2019年2月でしたが、当時は買収から1カ月しかたっておらず、統合プロセスのまさに最初でした。しかしいまは、統合プロセスはほぼ終えました。

ITシステムの統合はもう少し時間がかかり、2020年に終える予定です。正直なところ、2020年をとても楽しみにしています。昨年苦労した仕事の結果が出始めるからです。

昨年11月、研究開発(R&D)についての発表の場を設けました。その場で説明しましたが、今後5年間で12の新製品を投入する計画です。それらの新製品すべてがとてもイノベーティブなもので、統合の成果によるものといえます。

――最近米国から戻ったばかりのようですが、現地の従業員の雰囲気はいかがでしたか?

米国の事業はとても大きいため、日本と米国の間を頻繁に行き来しています。私は自分の時間の50%を日本国内にいて、残りの50%は国外にいます。私はできる限り従業員と交流するよう心がけていて、定期的にタウンホールミーティングを開いています。統合後すでに2回、従業員アンケートもおこなっていますが、結果はとてもいい。従業員の士気を理解するために多くの質問をしていますが、そこで明確になったのは、統合後の自分の役割が早期にわかればわかるほど、従業員の意識が高まるということです。

残っている課題は、旧シャイアー従業員の会社への帰属意識です。統合後の従業員の半分は旧シャイアーの出身者で、一部の人たちはまだ武田の従業員だということを実感できていません。これは短期間でできることではなく自然なことですが、引き続き取り組んでいきます。

――シャイアーとの統合で武田は世界トップ10の製薬会社となりました。2025年までの経営戦略も示していますが、その後はどのようなビジョンを持っていますか?

私たちの最大の目標は、革新的な製品を持続的に提供できるような、研究開発に強い企業になることです。二つ目には、従業員が働く場として魅力的な環境をつくること。そして三つ目は、最高の評判を持つ企業になることです。我々製薬業界の評判は必ずしも良いとはいえず、この点はとても重要です。

我々製薬会社は、研究開発を経て新薬を世の中に出していますが、その際に起きるのは、価格と薬の手に入りやすさの問題です。我々は新薬の価格を適切に設定する必要があります。なぜなら、医療はとてもセンシティブな領域だからです。

医療分野では、医師や病院は利益を追求する組織ではない一方、我々は民間企業であり、そこに摩擦が生まれます。我々企業は透明性を高め、自分たちのやっていることを説明し、社会や世界にポジティブなものを提供していると示す必要があります。これはとても大事なことです。

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最終更新:4/2(木) 12:19
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