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ウィザーズ番記者はどう見たか。八村塁のNBA1年目【杉浦大介コラム vol.17】

4/2(木) 11:30配信

NBA Rakuten

「例外を除けば、塁は堅実な活躍を続けていた」

新型コロナウイルスの影響でNBAのシーズンが中断して以来、再開の見通しは立っていない。再びゲームが行なえるとしても、6月以降になることが濃厚。さらには、NBAが残りのレギュラーシーズンを行なわず、再開後にいきなりプレイオフに臨むのではと予想する関係者も少なくない。そんなシナリオを辿った場合、シーズン中断時点でイースタン・カンファレンス9位だったウィザーズの2019-20シーズンは終了。ファンとしては残念だが、八村塁のNBA 1年目がこのまま幕を閉じてしまうかもしれないのだ。

今季八村は41戦で先発出場し、平均29.7分、13.4得点(FG成功率47.8%、3ポイント成功率27.4%、フリースロー成功率82.9%)、6.0リバウンド、1.7アシストをマーク。鼠蹊部の打撲による長期離脱こそあったものの、1年目としては及第点の数字を残してきたようにも思える。そんな日本人ルーキーのプレイを、現地メディアはどう評価しているのか。今回は『ワシントンポスト』紙のウィザーズ番記者として八村を間近で見てきた女性記者、キャンディス・バックナーに意見を求めた。

「八村はドラフトロッタリー指名で入団した選手として、期待に応えるだけの働きはしてきたと思う。特に故障離脱するまでは、コーチからもまるでベテランのようだと頻繁に称えられていた。そのプレイには安定感があり、おかげでプロへの適応もスムーズだった。シーズン中断直前、2試合にわたってFG成功がゼロに終わるなど、オフェンス時に消えてしまうという弱みも見せた。ただ、そういった例外を除けば、塁は堅実な活躍を続けていた」

随所にハイライトと呼べるゲームも生み出した

2002年以降、様々な媒体でスポーツの取材、執筆を続けてきたバックナー記者は、今季の八村の安定した働きを高く評価しているようだ。

全ルーキーの中で得点は5位、リバウンドは1位。ケガで全休した1月を除き、昨年10月から今年3月まですべての月で平均10得点以上、4.9リバウンド以上を挙げてきたことは特筆に値する。ひと月で13戦というハードスケジュールだった11月はすべての月の中で最低の平均10.6得点だったが、12月に17.3得点とバウンスバックしたことも評価されてしかるべきだ。

コンスタントな働きを継続する過程で、随所にハイライトと呼べるゲームも生み出した。開幕戦でいきなり14得点、10リバウンドのダブルダブルをマーク。12月2日のクリッパーズ戦では、カワイ・レナード、ポール・ジョージといったスーパースターを擁する強豪相手にキャリアハイの30得点を挙げてアピールした。オールスターのライジングスターズ・チャレンジに日本人として史上初めて選出されると、先発出場して14得点を挙げるなど、新たな歴史の1ページを開いている。

新人王の有力候補になったジャ・モラント(メンフィス・グリズリーズ)、ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)のようなインパクトこそなかったものの、故障離脱期間を除き、八村は計算できる存在であり続けた。バックナー記者の指摘通り、シーズン中断直前の3月6、8日に2試合でFG14本すべてミスに終わったのは限られた例外。それ以外は総じて堅実で、今季はイースタン9位と予想以上の頑張りを見せたウィザーズに様々な形で貢献したといって良い。

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最終更新:4/2(木) 11:30
NBA Rakuten

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