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最大の新型コロナ対策とは 「打ち勝つ」よりも「信頼と団結」を

4/3(金) 10:32配信

47NEWS

 安倍首相は、東京オリンピック・パラリンピック延期を告げる会見で、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証として」と表現した。だが今、人類が求められているのは、勝ち負けよりも、信頼と団結という忘れかけてきた価値観へのリセットではないのだろうか。人々が接触を遮断されて2週間―。国が、個人が、できることから助け合い、信頼と団結を築くことはできるだろうか。海外の事例から考えたい。(ジャーナリスト=佐々木田鶴)

 ▽人と人、国と国の団結と助け合いこそ

 著書「サピエンス全史」の販売が、世界で2千万部を突破した歴史学者で哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏は、3月15日付のTIME誌への寄稿の中で、こう述べた。「人類はコロナウイルスといかに闘うべきか――今こそグローバルな信頼と団結を」

 確かに今、世界が直面している新型コロナウイルス感染の世界的大流行(パンデミック)は、中国・武漢からイタリア・ロンバルディアへ、そして欧州全体に、さらにはアメリカへ、世界へと急速に広がっている。凍り付いたような無人の大都市の様相はSF映画を思わせる。世界が大ピンチに陥っている現状では、特定の国を名指して渡航制限をかける段階はすでに超えている。人類の叡智を結集して助け合うべき今、勝ち負けの比喩で「TOKYO 2020」の延期を語っている場合ではない。

 世界では、国と国、地域と地域、人と人の助け合い、団結が起こっている。

 ▽キューバから各国への「白衣の軍団」

 カリブ海の小さな島国キューバが人口比で世界トップの医師数を誇っていることは、日本人にはあまり知られていない。今でもアメリカの経済制裁下にあるこの国が、3月24日、医療関係者の疲弊や不足が切実なイタリア・ロンバルディア地方に「白衣の軍団」、つまり50人もの医師と看護師らを送った。

 到着した医師たちの使命感に満ちた言葉が印象に残る。「他国との人道的連帯に深く、強くコミットするのがキューバの伝統なのです」

 キューバは、今回の新型コロナ感染症ですでにベネズエラ、ニカラグアなどに医療団を送っており、イタリアへの派遣は6団目。しかし、イタリアのような先進欧州国が、小国キューバからの医療団を受け入れるのは歴史上初めてだという。キューバでも、新型コロナウイルスによる感染症は確認されている。

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最終更新:4/3(金) 10:42
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