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J-REITにくすぶる懸念材料-賃料支払い猶予の要請、「ロックダウン」も警戒

4/3(金) 22:20配信

モーニングスター

 J-REITに再び下押し圧力がかかっている。新型コロナウイルスの拡大を背景に、東証REIT指数は2月20日に付けた直近高値の2250.65ポイントから3月19日の1145.53ポイントまで▲49.10%と急激に下げ、その後3月31日まで39.25%大幅反発した。しかし4月に入り再び3日まで3営業日連続で下落しており、下値不安がくすぶっている。

 ここに来て新たな不安材料として浮上してきたのが、3月31日に国土交通省が賃料支払いに関して行った要請だ。同省は感染拡大を受けて、飲食店などの事業者が入居するビル等で賃料の支払いが困難になっている事案が生じていると説明。テナントに不動産賃貸を行う事業者に対して、賃料支払いの猶予に応じるなど柔軟な措置を検討するよう関連団体を通じて要請したとしている。

 野村證券リサーチアナリストの荒木智浩氏は2日付のレポートで、「今後実際に家賃の支払猶予や減免要請、受諾の動きが広がれば、J-REIT相場にとってのリスクとして改めて意識されると考えられる」と指摘している。

 J-REITは賃料収入を主な収益源とするが、用途別によって賃料の形態が異なっている。固定賃料のオフィスなどに対して、変動賃料となっているホテルなどはインバウンドの低迷も相まって、今回のコロナ危機により特に影響を受けやすいとして早くから下落圧力が強まっていた。

 ニッセイアセットマネジメントは3日付けのレポートで、19年のJ-REITの営業収益(不動産売却益を除く)約1.3兆円のうち、小売り施設やホテルが主体の計11銘柄のテナントの売上動向等で増減する変動賃料が占める比率は約330億円、比率にして約2.5%にとどまるとしている。その他大部分の賃料は固定賃料で、景気の変動を受けにくいとして、「足元の東証REIT指数は賃貸マーケットの悪化懸念を過度に織り込んでいる可能性がある」としている。

 実際に国土交通省の今回の要請がどの程度REITの収益に影響を及ぼすのか、また小売りやホテルなど変動賃料の一部REITにとどまるのか今後も注視が必要だ。その他にもリスク要因は多く、荒木氏は仮に東京がロックダウン(都市封鎖)となった場合、「マクロ環境への影響を通じた不動産賃貸、売買市況の悪化が一層警戒される展開になる可能性がある」とするなど市場では慎重な見方も根強い。

坂本浩明

最終更新:4/3(金) 22:20
モーニングスター

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