ここから本文です

新型コロナでも日本企業が社員に「テレワークさせなかった」真の理由

4/3(金) 9:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 感染者の拡大や経済への打撃が止まらない、新型コロナウイルス問題。人材系シンクタンクのパーソル総合研究所(東京・千代田)の調査によると、この非常時においても、テレワークの実施率は13%止まりという結果が判明した。調査は3月前半だが、テレワーク化に出遅れた日本企業の状況が浮き彫りになった。

【グラフ】コロナでも低すぎたテレワーク実施率

「実施率13%」の持つ真の意味

 働き方改革の文脈で以前から叫ばれていたテレワークだが、なぜ日本は“後進国”にとどまるのか。調査を分析したパーソル総研の主任研究員、小林祐児さんに聞いた。

 調査はパーソル総研が3月9日~15日、全国の正社員の男女約2万人にインターネット上で実施。テレワーク実施率は13.2%で、そのうち「今の会社で初めてテレワークを実施した」人は47.8%となった。さらに「テレワークを実施していない」と回答した人のうち、「希望しているができていない」割合も33.7%と3分の1に上った。

 小林さんは「本調査は約2週間前に行った。今ではもっと実施率は高いだろう」と前置きした上で「ここ数日の感染者数の伸びや危機感の高まりを考えると、やはり(当時のテレワーク実施率である)13%という数字はやはり低かった」と分析する。

 テレワークができない理由について、調査で1位となったのは『制度が整備されていない』(41.1%)。小林さんも「そもそも在宅などで行える業務ではない人も多くいたが、『ICT環境が整備されていない』といったPC周りの理由も3位にとどまった。やはり人事規則など制度関連の整備がうまくできていなかったのが大きな原因」と説明する。

日本の人事制度がテレワークで失敗する訳

 背景にあるのは、日本独特の人事評価方式のようだ。「欧米型企業と違い、日本企業のほとんどは『成果』と『プロセス』の両面を評価する。成果主義だけでなく、従業員が『頑張った点』『挑戦したこと』も評価する仕組みだ」(小林さん)。

 一方、上司不在の在宅勤務では、この「プロセス」部分が完全に見えなくなる。「評価制度としては片腕をもがれたようなもの。現状の評価制度でテレワークすれば、上司も部下も評価の“不完全感”をためやすい」(小林さん)。日本企業がテレワーク化に二の足を踏んだり、制度があっても有名無実化する根本的な原因がそこにあるという。

 ただ東京などの都市封鎖(ロックダウン)もささやかれる中、やはりテレワークの浸透は急務だ。小林さんは「今は応急処置的な段階だが、日本も今後は一気にテレワーク化が伸びるかもしれない。その際、制度設計が伴っていないひずみが出てくるはず」とみる。

1/2ページ

最終更新:4/3(金) 9:00
ITmedia ビジネスオンライン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事