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「景況感悪化」コロナショックで庶民は生活防衛へ舵を切る

4/3(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 先週の土曜日(3月28日)、午後6時すぎに駅前の某百貨店に行くと、コロナウイルス感染対策のため閉店アナウンスが7時に流れた。化粧品の美容部員に挨拶されながら店を出た。その足で大型スーパーに行くと、ここも7時に閉店していて時短営業を実感した。

■日銀は期末対策のETF買い

 小池都知事は先月25日に感染爆発の重大局面と発表したが“株価爆発”も起きていた。同日に日経平均株価は3日続伸し、一時上げ幅は1000円超の1万9500円台に乗せ、日銀が保有するETF(上場投資信託)の損益分岐点水準に達する場面があった。日銀は自らの財務健全性確保のためか大量にETFを購入。また、多くの株式を保有し、預金者に株式投信を販売してきた金融機関の3月期末決算への保全策でもあろう。

 投資信託協会の統計を見ると公募株式投信(除くETF)の純資産総額に占める銀行などの販売残高シェアは44・1%と証券会社とほぼ同等だ。

 政府は先月26日の月例経済報告で国内の景気判断を「足元で大幅な下押しを示しており、厳しい状況」と6年9カ月ぶりに景気の「後退局面」入りを示唆した。この先、景況感は悪化し、物価は下落、「消費の先送り」も起きる。

 生鮮食品や日用雑貨品などの需要は減りにくいが、物価下落を見越して「不要不急」の買い物もしなくなる。耐久消費財の価格は「意図せざる在庫」の積み上がりを受けて、いま買うのは賢明でないとの認識が普及し、デフレスパイラルが起きる。大手物流倉庫に勤める知人は先月の入庫は前月比半減したと語った。

 今後、中小企業は売上高の減少からパート、アルバイトなどの解雇に乗り出し、いずれ大企業の派遣社員も雇用調整の対象となろう。そもそも派遣などの雇用形態自体が、正社員は解雇しないという雇用バッファだからだ。社会は「感染防衛」から「生活防衛」へと局面変化する。

 日銀が「出口政策」を表明しないうちに東京五輪は遠のき、好景気が終わり、出口も遠のいた。新型コロナウイルス感染の「終息の出口」も見えず、いつ「不景気の株高」が起きるのかの「迷い」は深まるばかりか。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

最終更新:4/4(土) 8:33
日刊ゲンダイDIGITAL

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