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【新型コロナ】感染拡大防ぐ、中国・韓国・日本、3つの方法

4/3(金) 10:19配信

ハフポスト日本版

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐには、どうすれば良いのでしょうか。

この新興感染症をおおむね制御できている3つの国の取り組みから、この難局を乗り切る手立てを考えます。

医師の高山義浩さん(沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長)がハフポスト日本版に寄稿しました。

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欧米を中心に、世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。一部ではオーバーシュート(爆発的流行)を認めており、医療崩壊に直面している地域もあります。

どのようにすれば、この感染拡大を制御できるのでしょうか? そのことを考える足掛かりとして、この新興感染症を(おおむね)制御できている3つの国…中国と韓国、そして日本の取り組みを振り返ってみます。

「地域封鎖」によって流行を抑え込んだ中国

まず、中国。データの信頼性に疑念を示す人もいますが、中国が「地域封鎖」によって流行を抑え込めることを明らかにしたのは事実です。これは偉大な証明であり、武漢同様のアウトブレイクに直面している欧米諸国が、いま中国にならって地域封鎖を始めています。

ただ、中国ほどの厳格さは保てていないようなので、成功するかどうか、まさに固唾を飲んで見守っているところです。

徹底した「ローラー作戦」を実施した韓国

次に、韓国。徹底した「ローラー作戦」により住民への検査を実施し、陽性者を漏れなく隔離へとつなげました。

その結果、集団感染が多発していたにも関わらず、抑え込みに成功しつつあります。

1日で900人以上の新規感染者を確認した日もありましたが、最近は100人前後となっています。間違いなく韓国は、感染症との戦いにおけるモデルのひとつを示したと言えるでしょう。

日本独自の「クラスター対策」

そして日本。私たちは「クラスター対策」という独特の方法をとっています。すべての感染者を明らかにする戦略をとらず、イベント自粛や休校措置、外出自粛など、流行規模に応じて住民の協力を呼びかけました。

そして、クラスター(集団発生)を早期に発見し、その周辺については徹底して検査を実施し、次なるクラスターが発生しないように封じ込めるという戦略です。

さらに、発生したクラスターを丁寧に分析しながら、住民や事業者へと協力を呼びかける内容に活かしています。

複雑な戦略をとったわけですが、結果的には、欧米のようなオーバーシュートを認めることなく、現在(3月31日23時時点)まで感染をコントロールできています。

北海道では大きな流行に至るかと心配しましたが、クラスター対策を地道にやりながら、知事による「緊急事態宣言」を重ねたことが成果を発揮しました。流行早期であれば、地域封鎖によらずとも、住民や事業者の自主的な協力で抑え込めることを証明したのは、世界への重要なメッセージになったと思います。



そしていま、同じ取り組みを東京で行っており、これが成果を示すことになれば、日本がとってきた方法が巨大都市でも有効であることを示すことになるでしょう。

とはいえ、中国も、韓国も、そして日本も、いまだ危ない橋を渡っています。いずれの国も感受性者(免疫のない人)を多数抱えており、いったん収束させたとしても、オーバーシュートへの導火線がむき出しのままになっているからです。

とくに日本は、住民の自主的な協力によって抑え込んできたわけで、今後、気を緩めて大規模イベントなどを開催するようになれば、欧米のようにクラスターを多発させる事態に陥るかもしれません。

そして、それが一定の規模になってしまえば、もはや自主的な協力だけでは抑え込めなくなるでしょう。

そのとき、韓国に学んで「ローラー作戦」を選択することを否定はしません。ただし、これに従事する余裕など地域医療にないのです。私たちは、間違いなく重症者への対応に追われています。診療所もまた、病院の救急外来を避けてくる軽症患者への診療に追われていることでしょう。

韓国では軍隊を投入しました。日本では誰がやるのか…都道府県ごとに決断するのでしょう。ただし、マンパワーの確保だけでなく、トリアージの方針、軽症者の療養先の確保、有症者を集めるリスクを踏まえた感染対策などなど、しっかり検討してから決定いただければと思います。

「やったらいいんじゃないか」ということは誰でも思いつきます。大切なことは、実行可能なスキームへと組み上げることです。東日本大震災で支援に入った石巻市の避難所で、ある保健師が「トイレを掃除しろと言う人はたくさんいても、掃除をしてくれる人がいないんですよ」と嘆息していたことを思い出します。

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最終更新:4/3(金) 10:19
ハフポスト日本版

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