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コロナ禍の世界でしたたかに立ち回るプーチン・ロシア

4/3(金) 12:02配信

GLOBE+

ロシアの感染状況は比較的軽微

ロシアは、国土が広大で人口もそれなりに多い割には、現在までのところ、新型コロナウイルスの感染は比較的軽微に留まっています。3月15日までにロシア国内で感染が確認されたのは63人で、死亡者はまだ1人も出ていません。今やパンデミックの中心はヨーロッパに移ったと言われる中で、今のところロシアはそれとは一線を画しています。もちろん、「本当はもっと感染者が多いのではないか?」といった疑問の声もありますし、これから悪化することは充分考えられますが、今のところ状況は最悪ではありません。

【写真】服部倫卓さんが見たロシア

ロシア国内で見付かった63人の感染者のうち、60人がロシア人、2人が中国人、1人がイタリア人です。これとは別に、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗船していたロシア人乗客・乗員のうち、ロシア帰国後に3人の感染が判明しましたが、いずれもすでに回復しました。また、中国の湖北省に滞在していたロシア人など144人が、2月5日に軍の輸送機2機でロシアに帰国しましたが、経過観察の結果、全員の陰性が確認されたため、すでに帰宅しています。

ロシアは中国とのかかわりが深く、両国は4,000kmにも及ぶ国境線を共有しているのですが、ロシアは中国からの感染の流入はほぼ阻止しました。初動で思い切った措置をとったことが効いたようです。1月31日にはロシア極東にある中国との国境検問所がすべて閉鎖され、2月2日には中国人のビザなしによるロシアへの観光渡航が停止されました。その後さらに、労働、私的訪問、教育、観光目的の中国人について、入国を拒否する措置をとっており、露中間の航空便はモスクワ・シェレメチェボ空港を利用する定期便以外は運航を停止しています。いかに中国が戦略的パートナーであろうと、必要な措置は躊躇せずに断行するあたりは、ロシアらしいところです。

2月末までは、ロシア国内で確認された感染者は、上述の中国人2人だけでした。この時期までは、ロシア国民にとって新型コロナウイルスはそれほど差し迫った問題というわけではなかったようです。しかし、3月に入ってから、ロシア人の感染者が毎日のように報告されるようになり、上述のとおり半月で60人に達しました。実はロシア人感染者の大部分は、イタリアからの帰国者です。中国からの感染流入はほぼ阻止したロシアでしたが、大流行の中心がヨーロッパに移ったことで、ロシアにとってもコロナ問題は新たなフェーズに入ったと言えそうです。

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最終更新:4/3(金) 13:10
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