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中国BYDが次世代車載電池「ブレード・バッテリー」を発表、「自然発火」をゼロへ

4/3(金) 8:00配信

36Kr Japan

「安全基準を再定義する」「“自然発火”の四文字は新エネルギー車業界の辞書から抹消する」。3月29日、中国EV大手「比亜迪(BYD)」の王伝福会長兼社長は自ら次世代バッテリー「ブレード・バッテリー」の発表会に登場し、新しいバッテリー技術について上記のように表現した。

新エネルギー車業界が苛酷な市場競争に陥る中、EVメーカーによる訴求の核心は、「航続距離」「性能」「コスト削減」の三点にある。BYDのブレード・バッテリーはこうした背景で誕生した。製造・加工技術の急成長によってバッテリーシステムの空間利用率およびエネルギー密度を引き上げ、コスト面での強みも兼ね合わせている。

同製品を発表したのはBYDのバッテリー事業を独立させたサブブランド「弗迪電池(FinDream Battery)」。同社初の製品となる。弗迪電池の何龍会長によると、従来型のバッテリーパックはバッテリー単体をバッテリーモジュールに、バッテリーモジュールをバッテリーパックにという工程で製造される。これには大量の構造部品を用いて連結や固定を行う必要があり、その空間利用率は40%に留まる。

対するブレード・バッテリーはBYDが得意とするリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用し、既存のバッテリーを長さ2メートルにまで引き延ばし、厚さを13.5ミリに抑えている。設計上はバッテリーをモジュール化せずにバッテリーパックにまで仕上げ、結果的に空間利用率を高めている。

「ブレード・バッテリーはエネルギー体であり構造体でもある。バッテリーパックを直接支える梁のようなものだ」と何会長は説明し、同製品の体積利用率は50%以上向上したという。これは航続距離が50%以上伸びたことと同義であり、高エネルギー密度の三元系リチウムイオンバッテリーと肩を並べたことに等しい。

しかし、BYDは十八番であるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーでも技術面でライバルの「CATL(寧徳時代新能源科技)」に先を越されている。CATLは昨年9月にブレード・バッテリーに類似するCTP(Cell to Pack)技術を発表済みだ。やはりバッテリーモジュールを省いて直接バッテリーパックを組み立てる設計で、ロイターの報道によると今年7月から米EV大手テスラへの供給を開始するという。バッテリー総電力量でも長らくCATLに勝ちを譲り、新エネルギー車の販売台数では昨年、世界一の座をテスラに奪われ、BYDとしては今すぐにでも強力な反撃の一手が欲しいところだ。ブレード・バッテリーはこうした使命を背負っている。

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最終更新:4/3(金) 8:00
36Kr Japan

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