コロナ大不況の中、原油安が世界経済を直撃する恐れが出てきた。原油価格の影響を受ける債券がヤバくなっているのだ。金融危機はやってくるのか。
米シェールオイル大手の「ホワイティング・ペトロリアム」が1日、経営破綻した。米国がシェールブームで沸いた2011年に150億ドル(1・6兆円)だった時価総額は、破綻申請後、3200万ドル(34億円)まで下落している。シェールオイルの採算ラインは原油1バレル=50ドル前後だ。ところが、コロナ禍による需要激減にサウジアラビアの増産が重なり、年初に60ドル台だった原油価格は現在は20ドル台に低迷。採算割れのシェール企業が続出している。
■ハイイールド債がヤバい
シェール企業の経営危機に、金融市場も戦々恐々となっている。
「シェール事業の担い手は、資金力に乏しい中小企業が多い。信用がないため高利回りのハイイールド債という社債を発行し、資金を集めてきた。世界的な超低金利に頭を抱える投資家の人気を集めてきました。地方銀行など、手を出した日本の金融機関も少なくありません。トランプ大統領の後押しもあり、シェールオイルはうまくいっていたのですが、最近の原油大暴落で、シェール企業が発行したハイイールド債が紙くずになる恐れが出ています」(兜町関係者)
米国のハイイールド債は約1・3兆ドル(140兆円)の市場規模(2月末時点)だ。そのうち、約1500億ドル(16兆円)がシェールオイルなど原油の影響を受けるエネルギー関連である。金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。
「影響はシェール企業の社債が焦げ付くだけではありません。ハイイールド債を組み入れた仕組み債にも影響するからです。恐ろしいのは複雑すぎてどれだけハイイールド債が組み入れられているかが見えないことです。2008年のリーマン・ショックの時は、不良債権化したサブプライムローンが入った仕組み債に波及し、世界的な金融危機が起こりました。ハイイールド債も同様のリスクを秘めています」
リーマン・ショックの二の舞いにならないように、FRB(米連邦準備制度理事会)は、無尽蔵にハイイールド債を買いまくっているという。トランプのシェール企業支援もささやかれる。
米シェール企業の倒産は対岸の火事ではない。
最終更新:4/4(土) 10:17
日刊ゲンダイDIGITAL






























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