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コロナ緊急融資のツケが国民に…銀行の仕組みは「あとは野となれ山となれ」

4/4(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【プロはこう見る 経済ニュースの核心】

 新型コロナウイルス感染拡大は底なしだ。経済への影響はリーマン・ショックを超えることは確実で、1929年の「世界恐慌」の再現すら囁かれ始めている。日本経済への影響も甚大で、商工会議所の調査によれば、全国で9割の企業が、経営への影響が生じている、または長期化した場合に生じる可能性があると答えている。

「消費関連については売り上げが『蒸発している』」

 全国地方銀行協会の笹島律夫会長(常陽銀行頭取)は3月18日の記者会見で、こう取引先企業の現状を憂えた。

 新型コロナの影響で売り上げがほぼゼロになった中小企業も少なくない。GDP(国内総生産)の約6割を占めるといわれる消費が干上がっているわけだ。

 こうした中小企業の苦境を救うため、政府は第1弾の緊急経済対策として、インバウンド急減の影響をもろに受ける観光業などの中小企業向けに5000億円の低利の緊急貸付・保証枠を設けた。

 さらに続けて、第2弾として中小企業を対象に、実質無利子・無担保で融資する新制度を創設、総額1兆6000億円規模の金融支援に乗り出すことを決めた。

 政府系金融機関は不良債権化覚悟で、緊急避難的な融資に乗り出している。また、民間金融機関も新型コロナウイルスの影響を受けた企業や個人事業主に対し金利を優遇するなどの特別融資や貸し出し条件の緩和に踏み出している。「2013年3月末で終了した中小企業金融円滑化法を実質的に復活させた。金融機関が中小企業向け貸し出しで条件変更に応じた実績を毎月報告させる」(金融庁関係者)という。

 金融機関での融資審査はほぼノーチェック。「財務に関する資料を揃えなくても条件変更に応じてくれた」(中小企業経営者)という声が多数聞かれる。

 だが、その多くは信用保証協会の保証付きで、「不良債権化しても信用保証協会がカバーしてくれるので安心。あとは野となれ山となれですよ」(地銀)という仕組みだ。

「リーマン・ショックの時は信用保証協会の焦げ付きは約8%だったが、今回は10%を超えることも覚悟しているようだ」(信用情報機関)とされる。その損失は税金で補填される。結局ツケは国民が払わなければならない。

(小林佳樹/金融ジャーナリスト)

最終更新:4/4(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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