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独自作品続々、成長著しい中国アニメ 新型ウイルスの影響は

4/4(土) 11:33配信

GLOBE+

日本アニメの熱烈なファンが多い中国で、独自作品が勢いを増している。2020年は中国のアニメ市場の規模が2000億元(約3兆1000億円)を超えると予想され、すでに2兆円の日本を上回っている。中国アニメの現在と未来について、新鋭のアニメ制作会社「絵梦(えもん)」(上海市)の唐雲康(タン・ユンカン)副社長に聞いた。(聞き手・山本大輔)

【写真】中国のアニメ制作会社「絵梦」の作品

――日本アニメの国外での配信などの契約件数は北米が圧倒的でしたが、最近は中国が大きく伸びて北米に迫る勢いです。どんな背景があるのでしょうか。

中国のアニメ産業は従来、国営テレビで放送する子ども向けアニメの制作と、日本や欧米の制作会社の下請けの二つが主流でした。私が中学生だったころは、多くの日本アニメをテレビで見られましたが、国産アニメの保護・育成のために政府の規制が厳格化され、国の審査を通った国産の子ども向け作品がテレビでは多くなっていきました。

大きな変化が起きたのは2013年。インターネットが普及し、ネット上でアニメが楽しめるようになり、新しいビジネスモデルの模索が始まりました。距離的にも文化的にも近い日本のアニメが一つの成功モデルとして注目されました。これを手本に、中国向けに発展させる取り組みが、今の勢いを生んだのです。

――ネット配信が転機だったのですね。

ネット配信はテレビや映画と異なり国の審査対象ではなかったので、どんな日本のアニメでも自由に配信できました。一方で、大手の動画共有サイトを運営する「騰訊(テンセント)」や「bilibili」などと中国のアニメ制作会社が連携。日本のような少年向け、大人向けの独自制作が盛んになり、絵梦も創設されました。13年は中国の新しいアニメ産業が急成長した出発点と言えます。

ただ昨年、国の厳格な審査の対象にネット配信も含まれました。暴力や性描写の激しいものは、人気作品でも審査前に取り扱いを控える配信会社も出てきています。例えば国外のアニメ5作品と配信契約する場合、中国のアニメ1作品とセットで購入しなければならないといった規制が厳格化される可能性もうわさされています。配信できる作品の自由度が低下することになるので、対応を迫られることになります。

――この6年間で中国アニメ産業は毎年10~14%成長しています。独自制作で、さらなる成長につながるのでは。

アニメ会社は中国各地に存在し、今では数を把握するのも難しいほど増えました。元請けで100社以上、下請けで1000社規模になるとも言われます。こうした成長を受け、独自アニメの平均的な制作予算は、30分1話あたり1800万~3000万円と、日本と同水準になりました。制作本数も、絵梦の場合で、13年は1作品の配信でしたが、今は年間8~10作品を配信しています。

予算増は、作品の人気を左右する原画や物語のクオリティーの向上に寄与しました。中国全体で年間1000作品が作られた時期もありましたが、今は200作品程度。よりよい作品に投資する傾向が強まっています。ただ、人材確保の問題は国内だけで解決するのは難しく、日本や韓国のアニメ業界と協力しています。

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最終更新:4/4(土) 11:33
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