OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回はオーダーメイドのモッズスーツに身を包み、パブロック、パンク、ガレージロックを彷彿させるサウンドを展開した、伝説的なロックバンド・THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(以下TMGE)の『High Time』を取り上げたい。
※本稿は2016年に掲載
TMGEデビュー当時の日本の音楽シーンはどうだったかと言うと、安室奈美恵、華原朋美、globe、trfら小室ファミリーブームの真っ只中であった一方、プリンセス・プリンセス、米米CLUBといった一時代を築いたバンドが解散し、第二次バンドブームが本格的な終焉を迎えた時期だった。この翌年にはGLAY、L'Arc~en~Cielらの台頭によってCDセールスがピークを迎えた、所謂CDバブル期でもあった。そんな中、音にも見た目にも過度な装飾のなかったTMGEは、当時の状況を鑑みると、シーンに受け入れらえるのは容易でなかったとも思えるのだが、実際にはその逆で、熱狂を持って迎えられた。うるさ型のロックファン、一部好事家のみならず、一般大衆を巻き込み、デビュー2年後には横浜アリーナ公演を完売。約1万5000人を動員した。しかも、この公演は前述の通り、オールスタンディングライブという前人未踏のものであった。
TMGEのブレイクはCDバブル期における煌びやかな音楽エンタテインメントに対する反動でもあったと見るのが正解であろう。彼らのデビューの翌年に第1回が開催された『FUJI ROCK FESTIVAL』をはじめ、今や夏の風物詩となっている各地でのロックフェスが始まり出したのもこの頃で、この時期は邦楽史の転換期でもあったようだ。TMGEも1997年の東京の豊洲地区で行なわれた第2回『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。モッシュのため何度か演奏が中断されるほどだった激しいライヴパフォーマンスは今も語り草である。
TMGEが時流に乗ったのは間違いないが、それは決して偶然の出来事などではなかった。1991年の結成以来、5年近くインディーズで活動し続けたことにより、ライヴバンドとして他の追随を許さないほどの演奏力を身に着けていたことは言うまでもないが、メジャーデビュー以後の精力的な動きも強調しておきたい。
最終更新:4/4(土) 18:06
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