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新型コロナの影響が相続にも……親の財産受け取る?放棄する? 悩める「3カ月ルール」が延長可能に

4/4(土) 17:10配信

相続会議

相続が発生した場合、被相続人の財産や債務の相続を承認するか、放棄するかを選択することとなります。ここで放棄を選ぶには、原則として3カ月以内に家庭裁判所で手続きを行わなくてはなりません。この3カ月という期限が、新型コロナウイルス感染症の発生にともない、延長の申立てができることになりました。相続放棄などの手続きの原則や延長措置について、元東京国税局国税専門官のライターが解説します。

「相続放棄」と「限定承認」とは

亡くなった方(被相続人)の相続人は、被相続人が残した財産や債務を相続します。この時、財産よりも債務の方が多ければ、相続により借金などの負担を背負うことにもなりかねません。そうした場合に検討したい制度が、「相続放棄」と「限定承認」です。これらの制度を使うことで、被相続人から過度な借金を引き継ぐ事態を防ぐことができます。

相続放棄をすると、被相続人の財産と債務の一切は引き継がれません。一方、限定承認の場合は、被相続人の財産は相続しながらも、その財産の範囲内で債務を引き継ぐことができます。

たとえば、被相続人が遺した財産が3,000万円あり、債務が4,000万円あったとしましょう。この場合、相続放棄をすると、引き継ぐ財産も債務もゼロです。限定承認を選んだ場合は、3,000万円の財産と3,000万円の債務を相続することになります。

熟慮期間の原則は「3カ月」以内

相続放棄や限定承認の手続き期限は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知ったときから3カ月以内」と定められています。被相続人が亡くなり、自分が相続人となったことを知ったら、3カ月以内に家庭裁判所で相続放棄等の申述という手続きを行う必要があります。

この3カ月を「熟慮期間」と呼びますが、熟慮期間を過ぎると、相続放棄や限定承認を選択できなくなります。この場合、相続人は被相続人の財産と債務の一切を引き継がなくてはなりません。

新型コロナウイルスの影響で熟慮期間の延長が可能に

新型コロナウイルス感染症の影響にともない、3か月の熟慮期間内に相続放棄や限定承認を行うか決断できない場合は、熟慮期間の期限を延長できることとなりました。ただし、そのためには熟慮期間が終わる前に家庭裁判所に申し立てる必要があります。

たとえば2020年4月1日に自分が相続人となる相続があったことを知ったのであれば、通常は2020年7月1日に熟慮期間が終わります。しかし7月1日が来る前に家庭裁判所に熟慮期間の延長の申立てをすれば、さらに検討の猶予が与えられることとなります。

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最終更新:4/4(土) 17:10
相続会議

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