WHOが新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の感染拡大をパンデミックと呼んだ3月11日、米国はようやく本格的な対策のスタート地点に立った。中国からの入国制限は2月から開始したものの、それまでトランプ大統領は、新型コロナウイルスは「インフルエンザより感染や死亡が少ない」「そのうち自然に消滅する」といった楽観的な発言を繰り返していた。
連邦政府は入国制限対象をイラン、欧州、英国に拡大し、3月16日から「15日間の停止」を市民に求めた。高齢や基礎疾患がある感染ハイリスク者は外出自粛、人が集まる行事への参加自粛など「社会的距離」をとることを呼び掛けた。個人生活への政府の介入を嫌う米国社会では、異例の事態だ。
新型コロナ対策委員会の要である米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は「感染症対策は常に3週間遅れている。対策をとっても、結果が見えてくるのは3週間後でしかない。対策にやりすぎはない」と、会見で危機感を伝え続けた。その指摘通り、3月末には各地で感染拡大傾向が顕著になった。対策が出遅れた米国を待つものは何か。各州の対応から見ていきたい。(テキサス在住ジャーナリスト=片瀬ケイ)
▽大イベントを直前で中止したテキサス
西海岸、東海岸でCOVID―19の集団感染がはじまっても、筆者の住むテキサス州をはじめ内陸部の州では、身に差し迫る危機感を感じていなかった。例えばテキサス州の州都オースティンでは、3月13日から10日間にわたり「サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)」という大規模な映画・テクノロジー・音楽フェスティバルを予定していた。例年、世界中から40万人が集まる大イベントである。
米国で初めてCOVID―19による死者がでた2月29日の時点では、テキサス州での感染者は軍事施設に隔離されていた中国・武漢やクルーズ船からの帰国者以外のみ。SXSWも3月4日までは実施の予定だった。
約2950万人が住むテキサス州で、エジプト旅行帰りという初の感染者が見つかったのが3月5日。SXSW中止を呼びかけるオンライン署名運動が広がり、6日午後に中止が決まった。
4月3日現在で、テキサス州での感染者数は5658人、うちオースティン市を含むトラビス郡での感染者数は351人である。
最終更新:4/5(日) 7:12
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