【令和の不動産 マンションのプロはこう買う】
これまで不動産業界では、アベノミクスによる恩恵をたんまりと受けてきた。東京オリンピックの開催を受け、建設特需として巨額の資金が不動産に投下されてきたからだ。
地価は2013年後半から少しずつ上昇し、東京都心では活発に再開発が行われてきた。
この地価の高騰に消費者はついてこられず、新築市場の規模は縮小しているものの、高層マンションなどでは、高値で取引が続いている。また、新築より安価な中古市場は活発に動いている。
新築マンションにおいてはモデルルームの営業時間短縮や人数制限、なかには販売延期まで聞かれる。
これは、販売住戸の抽選などが“3密”になりやすいことや、新型コロナウイルスの影響により中国で生産していた部品が届かず、トイレを筆頭に給湯器、ユニットバス、洗面化粧台、IHキッチン、食洗機などが納品できない状態が続いているためだ。さすがにトイレなどがない状態では引き渡しできず、時期が見通せないため、販売延期に追い込まれているわけだ。今後は、完成前に販売する青田売りではなく、完成後の販売が増えそうである。ディベロッパーにとっては、販売期間が短くなり早期からの資金回収ができないばかりか、在庫を抱えるリスクを背負うことになる。
中古マンションにおいても、コロナによる外出自粛要請により内覧数の減少、社会的緊急事態により消費者が購入時期を変更するなど購買意欲が鈍化している。
また、新築マンションの販売延期と同じで、トイレ、ユニットバスなどの部品が納品できないため、業者が中古マンションをリノベーションして再販売する物件が出回りにくい状況だ。少し前までは、本来使わないメーカーを代替品として納品するなども聞かれたが、今は発注をかけても入荷時期が未定で納期などがまったく見えない状況である。
つまり、中古マンション購入の醍醐味でもある、安価に購入し自分好みにリフォームを行うということもいまはできない状況だ。この状況が続けば、小規模工務店や住宅メーカー、リノベーション業者などは資金難に陥り、近い将来、倒産も考えられる。
ほかに、個々においても今春に決済と引き渡しを予定していたが、賃貸契約を延長し退去時期の変更や、一時的に実家に身を寄せているという悲惨な話も聞こえてくる。
中古マンションの購入を検討している方は、購入時期を見直すか、リノベーション済み物件を値引き交渉するか、リノベーションなどが不要な築浅物件を購入するというのが得策といえそうだ。
(日下部理絵/マンショントレンド評論家)
最終更新:4/5(日) 9:26
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