ここから本文です

<北朝鮮報告for Pro>制裁にコロナ禍…経済はどうなっているのか(3)大規模「国家密輸」の実態を追う 石丸次郎

4/6(月) 17:00配信 有料

アジアプレス・ネットワーク

夜の密輸準備のために北朝鮮側に人と車両が集結している。バスは税関員や公安関係人員を乗せるためのものか。2019年11月に韓国KBS撮影

国連安保理によって強力な制裁が科された後、金正恩政権は中国との密輸に本格的に乗り出した。行政機関、税関、保安機関を海上と陸路の現場に動員して統制する「国家密輸」である。その実態はどうなっているのか? 北朝鮮国内と中国側での調査を報告する。

■1400キロの国境での密輸
朝中国境は全長約1400キロ。鴨緑江と豆満江の二本の河川でほとんど隔てられている。

脱北難民の流入、越境者による物取り、強盗殺人、麻薬や銃器の密輸に頭を痛めた中国政府は、10年ほど前から有刺鉄線の設置を進め、豆満江沿いは2014年頃に鉄条網で完全に遮られた。鴨緑江側は、ポイントを絞って有刺鉄線が設置されている。一方の北朝鮮側も、自国民の脱出防止を主な目的に、数年前に全域を有刺鉄線で覆った。

かつて朝中国境で最大の脱北ポイントだった豆満江沿いの咸鏡北道(ハムギョンブクド)茂山(ムサン)郡、会寧(フェリョン)市は、とりわけ警備が厳重になり、現在では、越境も密輸もほぼ根絶されてしまい、鴨緑江上流の恵山(ヘサン)市近郊が最大の密輸ポイントになっている他、中流の慈江道、下流の平安北道では、船を使った密輸が行われている。また西海岸では、後で触れるが海上の瀬取りが続いている。

■国家密輸のカラクリ
鴨緑江での民間人の密輸も、近年は小規模なものが細々続いている程度だ。2017年に制裁が強化された後、密輸は国家機関によって牛耳られるようになったのだ。北朝鮮ではこれを「国家密輸」と呼んでいる。国家の統制の下、貿易会社が実務を担っている。そのカラクリを説明しよう。 本文:3,290文字 写真:5枚 北朝鮮地図 製作アジアプレス 日が落ちると北朝鮮側に大型のコンテナ車やダンプカーが姿を現した。この日は鉱物中心の密輸だった模様だ。2019年11月に韓国KBS撮影 まだ凍結前の鴨緑江で大型車両を渡すため、ブルドーザーが川岸を地ならし作業をしている。2019年11月に韓国KBS撮影 鴨緑江上流は川幅が狭く密輸の最大ポイントになっている。北朝鮮側の恵山市を中国側の吉林省長白県から2013年8月に撮影アジアプレス。

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

すでに購入済みの方はログインしてください。

  • 税込110

    PayPay残高使えます

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。 購入した記事は購入履歴で確認できます。

最終更新:4/6(月) 17:00
アジアプレス・ネットワーク

おすすめの有料記事

PayPay残高使えます

もっと見る