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東京五輪延期で目算狂う…NHK朝ドラ「エール」は前途多難なスタート

4/6(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【テレビが10倍面白くなるコラム】

 誰もが知っているあの曲、この曲が次々に歌われたり演奏され、人気は間違いなしといわれるNHK連続テレビ小説「エール」(総合あさ8時)だが、新型コロナウイルス騒動でケチがつきっぱなしである。

 ドラマのモデルの古関裕而は、マーチや応援歌・校歌から歌謡曲、映画音楽、さらに軍歌、クラシックまで生涯に4500曲を作曲し、その集大成は1964年の東京五輪入場行進曲「オリンピック・マーチ」だろう。ドラマはこの曲の制作の苦心と演奏をクライマックスに、TOKYO2020開幕に合わせる算段をしていたはずだ。そのため、第1話で56年前の開会式当日を描いて布石を打った。ところが、肝心のオリンピックが延期である。

 夏の高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」も古関の作曲で、これもドラマの目玉のひとつだが、今夏の開催は難しいかもしれない。プロ野球も開幕の見通しが立たず、「大阪タイガースの歌(六甲おろし)」「巨人軍の歌」「ドラゴンズの歌」が聞こえてこない。延期になった春の六大学野球が中止や無観客試合になれば、早稲田大「紺碧の空」、慶応大「我ぞ覇者」は歌われない。いずれも古関の曲だ。

 NHKとしては、さまざまなスポーツ大会や試合中継で、「この曲は古関裕而さんの作曲です」とアナウンスして「エール」につなげる皮算用だったのに、すべて狂ってしまった。さらに、収録そのものが12日まで見合わせという。

 新型ウイルスで想定外ということでは、志村けんの死去もある。東京に出てきた古関をコロムビアレコードに推薦する大御所作曲家・山田耕筰がモデルの役なのだが、すでに収録が進んでいたから、代役というわけにはいかない。5月1日放送に登場して、数回出演して突然いなくなるという台本修正になりそうだ。

「この朝ドラの見どころのひとつに、出演者たちが、吹き替えではなく、本人が歌うというのがあります。そのため、森山直太朗、山崎育三郎、古川雄大、井上希美といった本格派の歌手が重要な役で出演し、窪田正孝、二階堂ふみ、薬師丸ひろ子も歌う。それがいずれも大正・昭和のヒット曲なので、音楽番組としても楽しめる仕掛けになっているんです。ドラマが中だるみするタイミングで懐かしい名曲を流せば、視聴者はたちまち戻ってくるでしょう。これにオリンピックが重なれば、完璧だったんですがねえ」(テレビ誌デスク)

 第2週は、オペラ歌手・双浦環役の柴咲コウが教会シーンで歌う。

(コラムニスト・海原かみな)

最終更新:4/6(月) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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