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保健所、やまぬ電話 札幌市に相談1日700件 拡大阻止へ苦闘

4/6(月) 6:03配信

北海道新聞

防護服で聞き取りも

 道内で4日現在、新型コロナウイルスの感染が確認された191人のうち4割以上の85人を占める札幌市。市内での1日当たりの確認数は3月下旬以降、0~3人に収まっているが、市保健所の電話窓口には1日700件超の相談が寄せられている。首都圏や海外で感染が急拡大する中、道内で歯止めをかけるためには最大都市・札幌で感染の連鎖を防ぐことが欠かせない。市保健所の医師らは最前線で、感染者と濃厚接触者の早期発見に全力を注ぐ。

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 3月31日午前9時。一般向け電話相談が始まると同時に、保健所内に設置された電話10台が一斉に鳴り響いた。「熱は何日続いていますか」「最近、海外に行った人と会いましたか」。市職員は受話器を片手に、症状や経過などを聞き取って所定の用紙に記入する。感染の可能性は低いと判断し、近隣の医療機関に連絡した上で受診するよう伝えて受話器を置くと、すぐ次の電話が鳴った。

濃厚接触追う

 市保健所は、毎日午前9時から午後9時まで受け付ける一般向けと、24時間対応の症状がある人向けの、二つの電話窓口を開設。電話で相談者が感染者と濃厚接触していたことが分かり、その後の検査で感染が確認されたケースもある。市保健所健康企画課の菊田潤事務係長は「感染の流行地から帰って来た人や、その家族からの相談も増えている。丁寧な聞き取りは欠かせない」と語る。

 感染拡大を防ぐため、感染者から行動履歴などを聞き取って濃厚接触者を割り出し、外出を控えるよう要請する。その役割を担う市保健所の医師は防護服を着込んで自ら専用車を運転し、感染者を自宅などから感染症指定病院に送り届ける。

 「同居の家族や親族は」「職場でマスクをせずに対面で長い時間話した人はいるか」―。感染者への質問は多岐にわたり、数時間を要することもある。気密性の高い防護服は息苦しい上に暑く、汗まみれになるが、調査中は脱ぐことができず水分補給もできない。

 3月中旬には、札幌市中央区のライブバーで従業員と来店客計9人の集団感染(クラスター)が発生し、その家族や同僚など店外にも感染が広がった。市保健所は関係者からの聞き取りに加え、市民に情報提供を呼びかけ、感染者と濃厚接触した恐れがある来店者の割り出しを急いだ。

 来店者が判明するたびに症状があるかを確認。当時はライブバー以外での感染確認も多く、10人近くの患者を病院へ送り届けた日もあった。保健所に戻ってからはデータの整理で日をまたぐことも。市保健所の医師、山口亮・感染症担当部長は「入院先の調整や感染者に事情を話してもらうための説得、濃厚接触者への連絡に追われる日々だった」と振り返る。

自粛まだ必要

 市保健所の地道な取り組みの成果もあり、市内での感染確認のペースは3月下旬以降に鈍化。一方、感染者の中には海外渡航歴がある人や感染経路が分からない人が増えている。

 北大大学院医学研究院の玉腰暁子教授(公衆衛生学)は昨年3、4月に年間転入者の4割にあたる2万7千人が札幌市内に移ったことを指摘した上で「油断はまったくできない。歓迎会などの自粛は当面必要」と警告する。秋元克広市長は今月2日の市感染症対策本部会議で「体調に不安を感じたら市の相談窓口に連絡を」と市民に呼び掛けた。

最終更新:4/6(月) 6:03
北海道新聞

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