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《チカさんの登校日記》地域の小学校で学ぶ重症心身障害児 (8)夢 友情 大人になっても

4/6(月) 6:03配信

上毛新聞

 群馬県の高崎金古南小に通う重症心身障害児の石川知果さん(7)は1年生を修了した。特別支援学級「たんぽぽ組」の担任を務めた長谷川和葵(かずき)教諭(29)は「周囲の状況をつかむことができるようになり、気持ちと、しぐさで示す感情表現とが合致するようになってきた」。確かな成長に手応えを感じている。

■友達の一人

 協力学級1年4組だった男児(7)は、家庭で学校の出来事を話す時、友達の一人として知果さんをよく話題にするという。母(42)は「息子にとっては知果ちゃんがいるのは当たり前。保護者の一人として、いろんな友達がいると理解し、心を豊かに過ごせる環境があることがうれしい」と感謝を口にする。

 話すことができず体を動かすことも難しい知果さんを受け入れるため学校側は手探りを続けてきた。今後はより一層、通常学級と特別支援学級に垣根のない環境づくりを目指すことにしている。

 大沢秀人校長(59)は、児童たちが知果さんと関わり、自分との違いに気付き、力になれることがないかと思いやる優しさを身に付けていく姿を見守ってきた。2020年度は知果さんが他学年との交流を深められるようにして、「今以上に思いやりの心を育みたい」と夢を描く。

■スイッチ

 母の京子さん(48)は言葉を話せなくても周囲に受け入れられ、友達に恵まれた知果さんの成長を実感する。感情表現が目に見えて豊かになり、「知果にとって、成長のスイッチは同年代の友達なんだ」とあらためて感じている。

 両親の夢は、大人になった知果さんが、同級生と一緒に成人式や同窓会に参加すること。結婚した友達が赤ちゃんを連れて知果さんに会いに来てくれたり、年を取っても知果さんのことを覚えていてくれたりすること。友達の一人として、地域の一員として当たり前に暮らし続けることだ。

 その頃には、「バリアフリー」という言葉が当たり前すぎて使われない社会であってほしい。障害があっても、少しも生きづらくない社会になればいい。

■巡る季節

 3月下旬。例年よりも早く満開となったサクラが並んだ公園に、京子さんと知果さんの姿があった。昨年は入学式で期待と不安を抱いてサクラを見上げていた。あれから1年。

 「う゛ぁー」。車いすにもたれた知果さんがうれしそうに声を上げた。近くを駆け回る子どもの歓声に反応したようだ。これからも知果さんは、友達に囲まれながら自分のペースで成長していくのだろう。

最終更新:4/6(月) 6:03
上毛新聞

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