新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が最初に報告された中国を抜いて、患者数が世界最多となってしまったアメリカ。中でもニューヨーク市は全米の死者の4分の1が集中する爆発的な感染の震源地になっています。海外居住経験を持つ医療・保健などのエキスパートが、国境をまたいで活躍する人々を支援する「JAMSNET」会員のドクターによる現地リポート第2回は、ニューヨークのマウントサイナイ医科大学内分泌内科教授、柳澤ロバート貴裕・米国日本人医師会会長からです。【メディカルノートNews & Journal】
アンドルー・クオモ州知事は毎日、感染者数などCOVID-19に関する情報を州政府のウェブサイトなどで発信しています。3月末時点で州全体の感染者数は約7万6000人、そのうち半数以上にあたる約4万3000人がニューヨーク市に集中しています。患者数は現在、爆発的に増加していますが、政府の政策と医療機関の懸命の努力で、今のところ医療崩壊は免れています。ただ、この状況がさらに悪化していけば、崩壊も起こりうるぎりぎりの状態と言えます。状況は日々変化しており、今後の見通しは立てにくいのが現状です。
クオモ知事は以前から深刻な状況になる可能性を危惧していました。そして、そうした状況が切迫し危機的状況になった3月22日、「必要不可欠な業種を除くすべての事業体、非営利団体は可能な限り在宅勤務を活用し、雇用主は原則として業務現場で勤務する人員を100%削減する」ことを命じる行政命令が発効しています。州全体の学校も閉鎖されています。これらの措置は4月15日まで2週間延長されています。また、州民に対しても「可能な限り自宅待機し、不要不急な公共交通機関の使用を控える」ことなどを連日、要請しています。
ニューヨーク市はアメリカ経済の中心、かつ観光名所でもあり、普段は大勢の人でごった返しています。ところが、行政命令の発効以降、ブロードウェイの劇場や美術館、五番街の高級デパートやブランドショップ、多くのレストランも営業を休止して人影もまばらになり、様相が一転してしまいました。
医療従事者などが通勤できるよう、今でも市のすべての地下鉄やバスは運行していますが、利用者はまばらです。
COVID-19という病気が切迫した危機と感じられる前にはどこか「人ごと」ととらえ面倒がっていたニューヨーク市民も、現在ではほとんどの人がこの目に見えない危機に大変な恐怖感を持ち、外出を控えて政府の施策に従っています。必要な外出の際でも、道では他人と距離を保とうと、自然と歩道の端によってすれ違うように歩いています。
最終更新:4/7(火) 12:12
Medical Note































読み込み中…