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アフターコロナの世界とは?何を捨てて何を残すのか

4/6(月) 7:02配信

telling,

新型コロナウイルスの影響で、多くの人がこれまでにないライフスタイルを求められている昨今。戸惑いや不安に包まれている方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな気分の時にこそ読みたい一冊を、書籍ライターの佐藤友美(さとゆみ)さんが紹介します。

●『あやうく一生懸命生きるところだった』(ハ・ワン/ダイヤモンド社)

「死のシミュレーション」というワークを受けたことがある。2011年7月19日。当時私は35歳で、子どもを生んだばかりだった。日にちまで覚えているのは、大事な人の命日に受けたワークだったから。

このワークでは、最初に自分にとって大切なものを十数枚のカードに書き出す。そして、私たちは全員死に至る病にかかったという前提で、その大切なものをゆっくり、ひとつずつ捨てていくことを求められる。
病状に気づいたとき、病院を予約したとき、検査をしたとき、病名宣告、手術、休職、そして体が動かなくなったとき……。
病気が進行するのと同時に、書き出した「大切なものカード」 のなかから1つ、2つと、何かを選んで捨てることを指示される。

この、1枚1枚、悩みながらカードを捨てていく感じが、今回のコロナウイルスによってもたらされている世界に近いな、と思った。

この状況を「いろんなものが剥がれていく感じ」と友人が言っていたけれど、まさにこの数週間で、私たちは意識的にも無意識的にも1枚ずつカードを切っている。切らされているといったほうが近いだろうか。
これまで“要“で“急“だと思っていたものさえ(それは例えば、学校教育であったり、自分の仕事であってさえ!)手放さなくてはいけなくなっている。

「死のシミュレーション」のワークを受けたとき、私はかなり早い段階で「仕事」のカードを捨てた。自分はワーカホリックだと思っていたので、我ながら意外だったし、衝撃だった。
その時と同じ感覚を、いま、感じている。制限される生活の中で、意外とすんなり手放せるもの、身を切られるくらい手放したくないもの。優先順位がいやでも見えてくる。

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最終更新:4/6(月) 9:48
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